目論見書によると、ハイディーラオはIPOで8億ドルから9億6300万ドルを調達する見通し。レンジ上限における評価額は120億ドルに達する。同社は上場によって調達する資金で、規模の拡大とオペレーションの自動化を目指している。
フォーブスの取材にZhangは、新規の店舗を3日に1軒のペースでオープンしていると述べた。背景には海外の人々の中国文化への関心の高まりがあると彼は説明する。「中国の歴史や習慣の多くを、人々は我々のレストランの料理から学べる」とZhangは話した。
ハイディーラオは現在360店舗を展開しており、年内に400店舗のオープンを計画中だ。そのうち約20店舗が海外の店で、ロサンゼルスや東京、ソウル、シンガポールにも店を構えている。
Zhangは火鍋の本場として有名な中国の四川省生まれで、1994年に高校を中退し、工場で働いて貯めた資金で最初の店を開いた。「あの頃はとにかく商売をやりたい意欲だけがあった。料理のことは何も知らなかった」と彼は話す。
今では中国を代表する火鍋チェーンに成長したハイディーラオは、2017年に前年度比36%増の約16億ドル(約1780億円)の売上をあげ、純利益は約190億円だった。Zhangはチェーンの運営に成功した理由の一つとして、インセンティブ制度がうまく機能したことをあげる。
ハイディーラオでは店舗の利益の3%をマネージャーに還元しており、その結果、現場からのボトムアップのモチベーションが高まったという。シンプルな料理である火鍋は、熟練した料理人を必要とせず、心のこもったサービスこそが顧客を魅了しているという。店内には無料のネイルサロンやキッズルームなども完備され、テーブルでの麺打ちパフォーマンスも客たちを楽しませている。
ハイディーラオはこれまで3億7500万ドル(約418億円)の資金を、「ヒルハウス・キャピタル」や「モルガン・スタンレー」「スノーレイク・キャピタル」らから調達している。同社は9月26日に香港証券取引所に上場予定だ。