「中国版テスラ」と呼ばれるNIOがニューヨーク市場に上場

NIOの創業者のウィリアム・リー(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

中国のEV(電気自動車)メーカー「NIO」が9月12日、ニューヨーク証券取引所に上場した。初値は6.00ドルと公開価格の6.26ドルを下回ったが、その後は上昇し、5%近い値上がりで当日の取り引きを終えた。

NIOは今年の上半期に約5億ドルの損失を計上しているが、今回の上場で約10億ドルを調達し、今後の3年から4年での黒字化を目標に掲げている。2014年に創業のNIOはテンセントの出資を受けた企業で、中国政府は同社が世界のEV業界をリードすることを期待している。

NIOの創業者のウィリアム・リー(李斌)は、北京大学で社会学を学んだ43歳。彼は「中国のイーロン・マスク」と呼ばれ、2018年のフォーブスのビリオネアリストにも登場している。

リーはNIOの株式の14.5%を保有しており、その資産価値は9億8100万ドルと算定される。彼は中国の大手自動車メディア「BitAuto(易車)」の株式も保有しており、フォーブスはリーの資産総額を11億ドル(約1230億円)と推定する。

今回のNIOのニューヨークでの上場は、米中の貿易摩擦への懸念が高まるなかでのことだった。7月に香港市場に上場した、中国のスマートフォンメーカー、シャオミの株価も、現時点でIPO価格を下回っている。

香港市場では今月、中国のフードデリバリー市場を率いる「美団点評(Meituan-Dianping)」の上場も予定されているが、同社も黒字化を果たせていない。

編集=上田裕資

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