NIOは今年の上半期に約5億ドルの損失を計上しているが、今回の上場で約10億ドルを調達し、今後の3年から4年での黒字化を目標に掲げている。2014年に創業のNIOはテンセントの出資を受けた企業で、中国政府は同社が世界のEV業界をリードすることを期待している。
NIOの創業者のウィリアム・リー(李斌)は、北京大学で社会学を学んだ43歳。彼は「中国のイーロン・マスク」と呼ばれ、2018年のフォーブスのビリオネアリストにも登場している。
リーはNIOの株式の14.5%を保有しており、その資産価値は9億8100万ドルと算定される。彼は中国の大手自動車メディア「BitAuto(易車)」の株式も保有しており、フォーブスはリーの資産総額を11億ドル(約1230億円)と推定する。
今回のNIOのニューヨークでの上場は、米中の貿易摩擦への懸念が高まるなかでのことだった。7月に香港市場に上場した、中国のスマートフォンメーカー、シャオミの株価も、現時点でIPO価格を下回っている。
香港市場では今月、中国のフードデリバリー市場を率いる「美団点評(Meituan-Dianping)」の上場も予定されているが、同社も黒字化を果たせていない。