フリーランスインタビューアー/ライター


リアルタイムでの学びや即時フィードバックの仕組みで、従業員エンゲージメントを高める

ロブ:ITC(International Trade Centre)の調査からもわかるのですが、今までの日本は、従業員が忠実に企業に従うというモデルで、退職者もさほど多くはありませんでした。

ですが、今後この状況は変わっていくと言われています。実際、日本の労働人口の29%は自分の仕事・働き方に満足していない結果が出ています。

アジア太平洋地域では、日本を含む8か国で調査をしていますが、日本よりも悪い結果が出たのは韓国だけ。また、23%が転職を検討していることもわかっています。企業側は、何らか新しいやり方で、従業員を惹きつけていかなければ、離職率は高まるばかりです。

私が以前のポジションで管轄していた、オーストラリアやニュージーランドでも同じことが懸念材料に上がっており、各社、真剣にWorkdayのようなシステムが必要だと考えていたようです。

麻野:いま、日本の従業員はアンハッピーな状況にあるというお話が出ました。Workdayによって、従業員エンゲージメントを高めてハッピーにすることはできますか。

ロブ:はい。Workdayは、従業員をハッピーにするためにつくられたシステムだと言っていいと思います。システムを利用することで企業側は、従業員がどんなことに関心を抱いているのかを、より一層理解できるようになります。

先ほどトレーニングの話が出ましたが、従業員は、電車に乗りながら・自宅にいながらトレーニングを受けることが可能です。上司からメンバーへのフィードバックについても、いつでもどこでも実施することができます。

 

これらのフィードバックの履歴は残り、メンバーたちの仕事ぶりを示す証拠にもなる。こういった近代的なシステムを社内に取り入れることは、従業員への投資の表れでもあり、これによって従業員の心をつかむことができるとも思います。

麻野:リアルタイムに学べたり、フィードバックが受けられたりすることで、生産性が向上し、従業員エンゲージメントが高まるということですね。

HRではなくビジネスサイドから切り込むことで、改革を実現する

麻野:今日お話いただいた内容には、多くの方が共感されると思いますが、日本企業の人事は非常に保守的な面があります。年功序列・終身雇用・新卒一括採用という固定化されたシステムを、何十年も運用してきた歴史があり、イノベーションよりもオペレーションに長けているのです。

ロブ:そうですね、理解できます。実際、日本的な方法とも言える階層別トレーニングでは、個人の優れた才能は見つけにくいですよね。

従業員一人ひとりが持っているスキルをベースに管理していくという、アメリカやヨーロッパ方式のやり方へと、どうやったら変えていけるのか。これは、人事ではなく、業務系主導で変化をもたらしていくことだと思います。

最近は日本でも、CDO(Chief Digital Officer)という役割が登場し始めたと思いますが、まさに彼らです。具体的な例としては、ニュージーランド航空についてお話ししたいと思います。

同社のCTO(Chief Technology Officer)は以前にシリコンバレーで働いており、先見の明があると言われている人物で、大きな変化をもたらしました。

デジタルを駆使してお客様を管理している会社として有名ですが、それだけではなく、顧客満足度も非常に高いのです。従業員自身も、お客様対応に優れているということで誇りを持っています。会社の戦略目標を達成するために、従業員のエンゲージメントを高めることが有効だと考え、Workdayを活用頂いている例の一つでもあります。

麻野:なるほど。ストレートにHRから入るのではなく、デジタルやビジネスサイドから切り込んで、日本企業の人事システムの改革を目指していくということですね。すごく勉強になりました。今日はありがとうございました。

文=伊勢真穂 写真=若原瑞昌

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