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I write about the junction between being human and the workplace.


非営利団体カタリストのヨーロッパ事務局長、アリソン・ジンマーマンによれば、ジェンダー多様性と財務的業績には関係性があることは、非常に多くの研究結果から示されている。

「証拠はある。よくある反論としては、それは因果関係なのか相関関係なのか、という疑問だ。これが理由で信用されないことが多い。この因果関係を証明することはほぼ不可能だ」

「男性たちに聞いたところによると、彼らにジェンダー多様性に対する行動を促す主な動機は、フェアプレーに対する強い気持ちだという。これは男性にとって、自分が真の勝利者であることを示す証だ」

「男性たちの行動を妨げているのは、男性である自分にはジェンダー問題は関係がないという無関心さと認識不足だ。また男性の間には、女性の昇進を支援すれば自分が損をするという“ゼロサム”思考が存在する」

シェルビー・ジェニングスのオリバー・クック北米支部長によると、実証的証拠のないまま男女平等がビジネス上の利益になると言われた男性は、ジェンダー多様性が財務的業績に大きく影響することを信じない傾向が高かったという。

「組織は、自分たちの主張を実証的データで裏付けていない。多くの回答者が、職場でのジェンダー多様性の促進は政治的または社会的な意図があると感じていたのも無理はないことだ。人は変化を嫌うものだ。そして、『#MeToo』運動のような複雑な状況下において、男性たちは公私の自分の立場が危ういと感じているかもしれない。特にジェンダーや多様性の問題では、男性は自分に厳しい視線が注がれるかもしれないと感じている」

カタリストのジマーマンは、組織はジェンダー多様性を推進する確固たるビジネス上の理由を持つべきだと主張する。

「これは、組織に競争力を与えるものだ。どんな業界であっても、そのけん引役となりたければ、これが競争力を向上するひとつの方法だということを理解する必要がある。イノベーションは人材から生まれるものであり、人材を引き付けられるインクルーシブ(包摂的)なリーダーが必要だ。そうすればより良い結果がついてくるだろう」

多様性は“人事”の問題?

調査ではまた、回答者の70%が、ジェンダー多様性は今なお“ビジネス”の問題ではなく“人事”の問題だ、と認識していることが明らかになった。

人事部門も最善を尽くすことができるが、人事部だけでは人々の行動や姿勢を変えることはできない、とエクセター大学のシーリー准教授は言う。「人々はリーダーに注目している。業績が良い組織は、明確なビジネス上の理論的根拠を持ち、人材と適材適所に対し焦点を当てている」

人事部門は門番となるものの、その権限は、事業戦略の一部である採用方針や研修計画の実行に限られている、とクックは指摘する。

「主要ステークホルダーや企業指導部は、ジェンダー多様性を推進するビジネス上の理由を訴え、それを証拠で裏付けなければいけない。もし彼らがそれを擁護しないのなら、従業員が擁護すべき理由などあるだろうか? 従業員は、それに自分たちの時間をかける価値があると納得する必要がある」

編集=遠藤宗生

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