医師という職業を例にとってみよう。医師はなぜ、ばかばかしく複雑な用語を使うのだろう? 不吉な響きの症状名ではなく、子どもでも分かるような言葉を使えば、ストレスも不安も無くなるのに。医師がそうしないのは、自分が全能だという感覚が弱まるからだ。
私はそんなことは全く気にしないので、もったいぶったアドバイスは省き、面接に臨む上でのシンプルなコツを皆さんに伝えたい。
まず前置きとして、面接官には重要なニーズがいくつかあることから始める必要がある。第一の望みは、人を雇うことで自分の日々が楽にしたいということ。そして、できればその人材がしかるべく仕事をこなせ、比較的一緒に働きやすい人で、必要な時には上司の助けになってくれればなお良い。
面接官が本当に聞きたいのは、次の9つの言葉だ。
1.「はい、私は本当にこの仕事に興味があります」
面接官に、あなたが興味を持っていると伝えることで、面接プロセスはずいぶん簡単になる。面接官は安堵(あんど)して、候補者が乗り気であると思える。これは中学生時代と同じようなもので、もしクラスで気になる子が自分を好きだと分かっていれば、その子を映画に誘いやすいのと同じだ。
2.「この仕事をうまくこなすには何が必要でしょうか?」
面接官の聞きたいことを口にできることを願いながら漠然と自分について語るより、こちらからそれを聞いたほうが早い。何が必要かを尋ね、面接官が具体的に答えてくれれば、その仕事に活かせそうな自分のスキルや経験、活動などについて話せる。
3.「どうすれば最も良い形でお力になれますか?」
こう言われて喜ばない人はいないだろう。こんな単純な一言で、あなたが本当に手を差し伸べたいと思っていることを示すことができる。
4.「はい、御社については入念に調べました」
こう言って、会社について調べた情報をいくつか挙げること。そうすれば、本当に会社に興味があってきちんと下調べしてきたことや、場当たり的に面接に来たわけではないことを示すことができる。