ビジネス

2018.09.10

中国の「ゲーム規制強化」で日本市場を狙うテンセントら

テンセントのCEO 馬化騰(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)


テンセントの優位性は変わらず

iResearchのGuoによると、PUBGのモバイル版が課金の許可を得ることができなかったのは、最大100名のプレーヤーが殺し合い、最後に生き残った者が勝つという内容を当局が認めなかったからだという。

現状、中国で毎月リリースされる新作ゲームは600〜800タイトルで、その半分をポーカーやチェスといったカジュアルゲームが占める。野村証券のアナリストのShi Jialongは、当局がこれらのカジュアルゲームの削減に着手すると指摘している。

中国では、中国文化観光省と中国国家広播電視総局がゲームの審査を主導している。IHS Markit のアナリスト、Cui Chenyuによると、通常は申請から80日以内に回答が出ることになっているが、当局が問題を発見した場合には申請書が差し戻され、企業は初めから申請をし直さなければならないという。

規制が強化される中でも、テンセントは小規模なゲーム会社に比べて優位な立場にある。その理由は、良質なゲームが多いことと、子供の課金やプレイ時間を制限するシステムを既にゲームに搭載していることだ。

「今後は大手のゲーム会社による良質なゲームが市場を独占し、小規模なゲーム会社は淘汰されるだろう。大手企業は、苦境を脱するために既存ゲームのライフサイクルを伸ばしたり、海外進出の強化を図るだろう」と証券会社「ジェフリーズ」のアナリスト、Karen Chanは指摘した。

編集=上田裕資

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