小型高級SUVの新スター誕生か、ジャガーEペース試乗レポ

ジャガー Eペース


さて、室内は、「やっぱりジャガーだ」とニッコリさせるところと、「やっぱりジャガーはなぁ」と眉をしかめさせるところがある。

コックピットがドライバーの方向に向いて配置されているのを見れば、デザイナーがEペースをスポーツカーに乗ったかと思わせたいと頑張ったことがわかるだろう。それはいい感じだ。本革を巻いたステアリング・ホイールとシートも歓迎できる。ただ、ギア・シフト回りのプラスティック素材などは、もうちょっと上質なものを使って欲しかったな、とは思う。



採用していているメリディアン製のサウンド・システムはEペースにぴったりで、室内空間に合わせて上手にチューンされている。また10インチのタッチスクリーンは何回かスワイプを練習してみれば、上手く使いこなせるようになる。ただ反応はまあまあで、フリーズする傾向があり、陽光が反射してしまう角度でスクリーンが見づらいことがあるのは難点だ。

ボディの大きさにしては、前席のヘッドルームとレッグルームはそれなりに広い。もし予算に余裕があって80万円上乗せできるなら、オプションで「18方向に調整ができる本革シート」をおすすすめしよう。

安全機能の一部は、ときどき具合が鈍いように感じた。たとえば、前面衝突回避警告が働くのが早過ぎたり、ステアリング・アシストとレーンキープ機能が思うように利いてくれないことが、試乗中に2度ほどあった。

ということで、EペースはFペースの素質はもっているのか。Eペースの外観デザインは魅力的で、ダイナミックな走りは楽しいけれど、車重が重過ぎて、ジャガーらしい高級感にかけている気もする。だからライバルの質感や走りには及ばないかもしれないけど、存在感と欲しいなあと思わせる魅力で、退けはとらないのかもしれない。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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