その場合は、緊張感を生むことで断ろう。仕事を頼もうとしている人に情報を伝え、決断させる。「これは素晴らしいプロジェクトのようですね」と言って相手に同意しつつ「ですが私たちは、既にプロジェクトAとBにコミットしています」と言って状況を明確化する。そして「このプロジェクトを業務に加えるには、どちらを中断すべきですか?」と聞き、緊張感を生む。
4. 仕事を引き受けることで犠牲にしているものを書き出す
何にでも「イエス」と言ってしまう人は、実は気づかないところで犠牲にしているものがある。締め切りや業務を詰め込んだ場合、より大きくて意義のあるプロジェクトが回ってきても、対応する余裕がない。また、個人的なつながりや運動、健康、夢など、人生で仕事の他にしたいことも犠牲にしているかもしれない。頼まれた仕事を全て引き受けることで逆に断っているもの、先延ばしにしているものは何か自問する。
私がなかなか「イエス」と言えないものの一つは、執筆と書籍プロジェクトを進める時間だ。私は仕事の打診を受けたとき、ようやく返信でこのことを伝え、仕事を断れるようになった。私は次のように説明している。
「こちらのイベントにぜひ参加したいのですが、私は一つイベントに参加するたび本を執筆する時間を削っています。そのため、残念ですが今回はお断りしなければなりません。皆様が素晴らしい時間を過ごされることを願っています。私の方では、本を書くという夢を追求します」
5. 他の適任者を提案する
時には、私がそもそもできないことを頼まれることもある。出産予定日の週末に、世界の反対側で会議に出席するよう頼まれたこともある。このケースでは、他の適任者をすぐに数人思いつくことができた。この戦略は、これ以上仕事を詰め込めないときにも活用できる素晴らしいものだ。スケジュールが既に詰まっているとき、私は自分よりさらに適切な人材とその素晴らしい機会をマッチングしたいと考えている。ただし、推薦したい人にまずは確認し、関心の有無を聞くのが重要だ。
6. 恐れずに断固とした姿勢を見せる
自分の意見をきっちりと述べる練習をし、明確な境界線を引くこと。あなたの目標は人に好かれることではなく、尊重されることだ。断れば、人から尊重と関心が集まる。最初は批判されるかもしれないが、時間がたつにつれ、人はその決断を尊重するようになるはずだ。自分の時間を守り抜けば、周囲の人はあなたには境界線があることに気づく。またあなたの方では、自分に断る資格があることを再確認できる。
全て実践してもうまくいかない場合、頼んでくれた人が時間を取ってくれたことに感謝した上で、シンプルに断りの言葉を述べよう。「お話しいただきありがとうございます。今回はお断りしなければなりません。よろしくお願いします」と言えばよい。