セレブが彩るベネチア国際映画祭 今年の注目作品は?



『Suspiria』の出演者(左)ダコタ・ジョンソン、(右)ティルダ・スウィントン

その他、ベネチアでアカデミー賞への勢いを培っている映画としては、ダリオ・アルジェント監督による1977年のホラー映画をリメークした『Suspiria』がある。出演はダコタ・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントン。監督は、昨年に『君の名前で僕を呼んで』で高い評価を集めたルカ・グァダニーノだ。


『The Favourite』に出演したエマ・ストーン

2016年のベネチア映画祭でオープニング作品だった『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンは、最新主演作『The Favourite』の宣伝のためベネチアに戻ってきた。

またナタリー・ポートマンは主演作『Vox Lux』の世界初上映のため参加し、レッドカーペットをにぎわせた。


ナタリー・ポートマン

最近の映画祭には論争がつきものだ。国際アートシアター連盟(CICAE)は、劇場公開作品ではないことを理由に、ネットフリックスが製作した映画のベネチア参加を批判していたが、最終的にはネットフリックス作品であるコーエン兄弟の『The Ballad of Buster Scruggs』やアルフォンソ・キュアロンの『Roma』、ポール・グリーングラスの政治スリラー『22 July』がいずれもコンペティション部門に出品されている。なお、今年のカンヌ国際映画祭では、ネットフリックスの映画がコンペティション部門参加を禁止されていた。

今年のベネチア国際映画祭では、公式コンペティション部門に選出された映画21作品のうち、女性監督による映画が昨年に続き1作のみという状況になったことで、芸術ディレクターのアルベルト・バルベーラが予想通り批判を受けた。

女性監督らは、同映画祭は映画文化の「有害な男性中心主義」を示す新たな一例となったと強く批判。さらに、保守派のイタリア人映画監督、ルチアノ・シリギニ・ガラニャーニが、セクハラ・性的暴行疑惑で失墜した米著名プロデューサーの顔写真をプリントし、「ハーヴェイ・ワインスタインは無罪だ」と書かれたTシャツを誇らしげに着て登場したことで、状況は悪化した。


(左)俳優のライアン・ゴズリングと(右)ディレクターのアルベルト・バルベーラ

ベネチア国際映画祭はカンヌなど2映画祭に追従し、男女平等宣言に署名したが、ディレクターのバルベーラは女性枠の導入を拒否。「作品選出者としての私たちの仕事は、品質面で最も良い作品を特定すること」と述べ、「割り当て制は支持していない。重要なのは品質だ。唯一重要なことは画面の中にあるものであって、画面の外にあるものではない」と述べた。

男女の問題はさておき、映画祭のレッドカーペットで披露されるファッションを楽しみにしている人々は、バルベーラの主張には同意しかねるだろう。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事