批判的なフィードバックをうまく受け止める4つのコツ

タイポグラフィのデザインの際に作成したイメージ(筆者提供)


2. 相手とチームになった気持ちで聞く

フィードバックを一方的に受け止める側になるのではなく、そのプロセスに積極的に加わってみよう。批評を受けているその仕事は、仮に自分のものではないと想定し、自らの客観的な意見を言ってみるのだ。

そうすることで、「私個人」ではなく、仕事自体に意識を向けることができる。さらに、その仕事に対するフィードバックのプロセスを相手と共同で行うことで、自分の仕事を新たな視点から分析することができ、より良い方向へ改善することができるはずだ。
 
3. 感情的に受け止めない

できる限り、考慮すべき事柄から私的感情を取り除く。ネガティブなコメント一つ一つにとらわれるかわりに、自分の仕事を定義し達成するために必要な、バイアスのない指摘を求めよう。

たとえ相手が「私が好きなところは……、嫌いなところは……」といった表現を使ったとしても、それは個人に向けられているものではない。相手は仕事の背景にあるあなたの根本的な考えや行動を知ろうとしているだけなのだ。
 
4. 「答え」を求めない

フィードバックを経て仕事の課題が見えてくると、ついその課題に対する明確な解決策を求めたくなってしまうだろう。でも、それをしてしまうと、現状の課題をさらに掘り下げたり、新たな可能性を探る機会を逸してしまう。それよりも、自分自身で課題を解決しようとすることで、学び、成長するさらなる機会を手に入れることができる。

振り返ると、あのとき私を失意の底に突き落としたタイポグラファーは、実は素晴らしいアドバイスをしてくれたことに気づく(ただけなそうとしたなら、もっと極端に少ない言葉でできたはずだ)。それを私は、デザイナーである自分への個人攻撃だと受け止め、反応してしまった。

しかし、あのフィードバックのおかげで、私は自分の仕事に対して今までよりずっとクリティカルな視点を持つことができるようになり、他の人が気づかないような細部に至るまで気を配ったデザインをするようになった。
 
ネガティブなフィードバックを受けるのは確かに辛い。多くの時間と労力を費やした仕事をいきなり一刀両断されたら、打ちのめされるのも無理はない。

しかし、フィードバックをもらうことは、自分の仕事に改善のチャンスをくれるだけでなく、“自分自身”を改善することにもつながるのだ。そしてそれは、自分が誰かにフィードバックを与える番になったとき、強く実感することだろう。

文=アシュリー・シュカウスキー(IDEO Tokyo デザイン・リード)

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