高級ホテルで初、リッツ・カールトンがクルーズ事業参入 2020年就航

客船に設置されているマリーナ型デッキ((c)2018 The Ritz-Carlton Yacht Collection. All Rights Reserved.)


──どのような旅程が組まれていますか?

旅程は、ヨット航海のライフスタイルを考慮し、慎重に設計されている。大半の旅は7~10泊で計画され、くつろげる特徴的な観光地に停泊する予定。ルートはいずれも、二つとないものだ。また、4泊または5泊の特別プラン「Escapes of Discovery(発見の旅)」も用意し、長期の旅行ができない人や、高級ヨットの旅を短期間試してみたいクルーズ初心者にも対応する。

ザ・リッツ・カールトン・ヨットコレクションの体験は、大型客船や探検クルーズとは完全に一線を画すものだ。最初の客船の寄港地はカリブ海や地中海、北欧、中南米、カナダ、米国北東部を予定している。ゆったりとした旅程を組んでいることで、ゲストは寄港地で昼夜どちらも過ごすことができ、柔軟に予定を組める。

当社のユニークな旅程を補完するものとして、テーマに合わせた寄港地での散策もある。テーマは5つあり、自分の関心や体力に合ったカテゴリーが見つかるはず。散策ではフランス・ボルドーのワイナリーを客船のソムリエと共に訪問したり、フランスでカキの幼生の育て方を学んだり、さまざまなことができる。

さらに詳細に予定をカスタマイズして街を散策したいゲストには、専用のコンシェルジュが付き、旅程作成を支援する。

──クルーズ業界でリッツ・カールトンが埋めようとする隙間は?

当社が提供するレベルのサービスとカスタマイズを求めている消費者に対応する商品は、今まで存在しなかった。これこそ、ザ・リッツ・カールトン・ヨットコレクションが埋めようとする隙間だ。ターゲットの客層は、無二の存在となるようデザインされたヨット体験を求める冒険好きや文化愛好家、旅行ファンだ。当社の旅は、さまざまな年齢や好みに合わせられる。

──高級クルーズでは、美食と健康が欠かせない要素となっています。御社ヨットの食事体験やスパ、健康促進プログラムについて教えてください。

船内にはアジアフュージョン系のレストラン、各国の料理の数々を取り入れたメインレストラン、魚とステーキを中心としたプールサイドグリル、各国からのメニューを用意したカジュアルラウンジ、シェフのエルバーフェルトのレストラン「アクア」の5つの食事場所がある。ルームサービスも24時間提供する。

スパはリッツ・カールトンが設計・運営し、室内外の施術室、リラクゼーションエリア、画期的なフィットネス機材を用意する予定。

──サービスと価格は、他社と比べどうでしょう?

親密で、詳細までカスタマイズでき、究極のラグジュアリー体験ができるザ・リッツ・カールトン・ヨットコレクションは、他とは全く次元が違う。私たちのヨットは業界で最も小さく高級な部類に入り、そのサイズのおかげでモンテカルロやポルトフィーノ、コルシカ島やバレアレス諸島など、より親しみが持てる港を体験できるようになる。

競合に比べて大きなスイートの比率が高いことに加え、室内での娯楽にも適した革新的なメゾネット型スイートもいくつか用意する。また一部のスイートでは、防音のブラインドウォール部分を取り除くことで隣のスイートとつなげてより大きなスペースにすることも可能。当社スタッフによる伝説級サービスも他社と差別化できる点で、ゲストとスタッフ数の比率はほぼ1対1だ。

初シーズンとなる2020年のクルーズ価格は、全サービス込みの高級クルーズの相場に準じている。例えば、カリブ海の7泊クルーズは1人4600ドル(約51万円)から、地中海の7泊クルーズは1人5800ドル(約65万円)から。客船は貸し切りも可能だ。2020年2月の旅の予約は既に受付が開始されている。

編集=遠藤宗生

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