ビジネス

2018.09.07 08:00

「HRか三振か、全力で振りますよ」型破りな起業家が目指すもの #30UNDER30

Popshoot CEO 大山敏浩


──PopshootのHPには、「挑戦する人が賞賛される世界をつくる」と書かれていますよね。今回、大山さんに会うまでは、このビジョンは大山さんのキャラとはちょっと違う気がしていました。もっとぶっ飛んだことをいう人だと思っていて。
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「意識高い」という言葉がとにかく嫌いで。僕自身は超意識高いんですけど。周りにも起業したいと口にする人はたくさんいたけど、そういう人の99%は行動しなかった。でも、その人たちも周りの人がもっと応援したり、励ましたりしてくれれば動いたんじゃないかと思うんですよ。

僕はたまたまそういう友人に恵まれたけど、小馬鹿にされることも多かった。僕と同期の人も、一度就職してからやっぱり起業には可能性があると感じ、いまから会社をつくろうとする人もいます。だったら6年も社会人生活を過ごさず、卒業してすぐに起業した方がよかったかもしれません。挑戦したら良いことがあると、僕が証明したい。

まだ大きな失敗をしていないのが、最大の失敗
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──起業したとき、恐怖心はなかったんですか?

1000万円の調達なんて、たかがしれていますよ。いまだってせいぜい5億円程度なので、その気になれば返せる。そうじゃなきゃ起業家なんてやってられない。まだまだこれくらいのステージなら、いくらだって好きにできると思っています。



──いままでに落ち込んだことや後悔したことはありますか?

落ち込んだことはあまりないですけど、コインチェックみたいな存在になれていないのは後悔していますね。2013年から仮想通貨のマイニングをしていたのに、その未来をちゃんと感じ取ることができなかった。コインチェックのように世間に認知される存在になれなかったのが悔しい。もっとお金を使って、仮想通貨のマーケットに張ればよかった。

いまだにチーム全員を失うなどの手痛いミスもしたことがありません。要は、まだ負けてもいないのが最大の失敗なんですよね。もっと大きなこと言って、楽しんで、思いっきりバットを振りまくる。

──「Wei Wallet」の手応えはいかがでしょうか?

イーサリアムのウォレットアプリを開発していく中で、仮想通貨業界のクリティカルな問題をCTOの佐藤大輔が見つけました。この問題を解決することができれば、クリティカルな結果も出せると思っています。いままで、この分野の研究開発に多額の資金をつぎ込んだので、それが身を結ぶんじゃないかな、と。

──その後のことは何か考えていますか?

いまのところ選択肢は2つあって、まずは松本さんの跡を継ぐこと。マネックスに買収されて、そのまま社長の座についてしまう。いまのところマネックスにはあまり後継者もいない気がするので、だったら僕が空気変えちゃえばいいんじゃないかなって(笑)。

もうひとつは、自社株を100%保有してプライベートカンパニーにすること。儲けるところまで儲けて、自分の好きなように経営するんです。そういう選択肢があってもいいんじゃないかな、と思っています。

いまは、とにかく起業家のエンターテイメント枠として行けるところまで突っ走ります。

Forbes JAPANはアートからビジネス、 スポーツにサイエンスまで、次代を担う30歳未満の若者たちを表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」を、8月22日からスタートしている。

「Business Entrepreneurs」カテゴリーで選出された、Popshootの大山敏浩以外の受賞者のインタビューを特設サイトにて公開中。彼ら、彼女たちが歩んできた過去、現在、そして未来を語ってもらっている。


大山敏浩◎1991年京都府出身、同志社大学卒業。在学中に3人で同社を共同創業。友人とのお金の貸し借りを簡単にメモできるアプリ「よろペイ」を開発・運営した後、現在はイーサリアムウォレット「Wei Wallet」を開発中。

文=野口直希 写真=小田駿一

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