ビジネス

2018.09.06 12:30

K・ジェンナーの化粧品ブランド、アルタと契約で実店舗販売へ


カイリーがアルタにもたらすもの

両社の提携のニュースが伝えられると、アルタの株価は上昇。およそ52週間ぶりの高値をつけた。投資家らは、カイリーがアルタに何をもたらし得るかを理解している。

カイリーのフォロワー数は、インスタグラムが約1億1000万人、ツイッターが約2560万人、スナップチャットが数百万人。カイリーコスメティクスをフォローしている人は、約1640万人だ。ジェンナーが若いコスメ愛用者に多大な影響力を持っていることは間違いない。

そして、こうした若い消費者は、LVMH傘下の化粧品セレクトショップ、セフォラと戦うアルタが獲得しなければならない顧客層だ。ミレニアム世代の顧客を呼び込むことにおいては、セフォラが優勢を占めている。

ウェブ解析・競合分析ツールを提供するシミラーウェブ(SimiliarWeb)のマーケティング・ディレクターは、「18~24歳、25~34歳の消費者層においてはセフォラが優位に立っている。45歳以上の消費者の間では、アルタの方が人気だ」と説明する。本気でセフォラと戦うのであれば、アルタはオンライン上での若い消費者とのエンゲージメント強化を図るなど、次なるステップを踏む必要があるという。

アルタはカイリーコスメティクスとの提携により、その新たな一歩を踏み出した。オンライン販売だけでなく、アルタの利益の90%以上を生み出す実店舗でも、確実に来店客数の増加を見込めるだろう。

アルタは今後、大幅な増益を実現していくことができると考えられる。ディリオンは自社について、「わが社の柔軟なビジネスモデルは、既存店売上高の健全な伸びと新店舗の卓越した生産性、オンライン販売(Ulta.com)の高い成長率を支えている。こうしたことが、全てのカテゴリーにおける大幅な増益につながっている」と語る。CEOのこうした自己評価について、とやかく言うべき理由は一つもない。

編集=木内涼子

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