「インダストリー4.0」で注目のイスラエル企業6社の取り組み

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第4の産業革命とも呼ばれる「インダストリー4.0」の到来により製造業は今後、巨大な変化をむかえることになる。完全に自動化された倉庫のなかを、ロボットたちがコミュニケーションをとりながら行き交い、製造ラインに異変が起これば自動的に修復作業が行なわれる──。そんな未来の工場の実現が近づいている。

2025年までにインダストリー4.0のセクターは、1兆ドル近い経済的価値を生み出すとの予想もある。イスラエルのテルアビブでは10月16日に「Israel Industry 4.0: Beyond Man and Machine」と題されたカンファレンスが開催される。イスラエルには現在、約200社のインダストリー4.0系のスタートアップ企業があり、ここ5年で企業数は倍増した。

ここではそのカンファレンスに参加する注目企業を紹介してみたい。

工場のオートメーション:BionicHIVE

工場を自動化するにあたり課題となるのが、自律走行型のロボットを走らせるために、既存の工場レイアウトの再設計が必要となることだ。「BionicHIVE」の自動化ソリューションは、従来の工場をそのまま利用しつつ、3Dビジョンを備えたロボットの群れが連携して作業を行なうシステムを提供する。

製造機器のモニタリング:Seebo

2012年創業の「Seebo」は工場の製造現場で必要な機器のモニタリングや、メンテナンス課題の発生予測を行なうソフトウェアを提供する。同社のバーチャルダッシュボードでは、工場全体の製造プロセスがビジュアルとして提示される。Seeboは調査企業「ガートナー」が選ぶ2017年の「Cool Vendors」に選出され、IoT分野の有力企業とされた。

メンテナンス課題の検出:3DSignals

製造機器から発生するノイズを分析し、不具合やストレスの発見を行なう企業が「3DSignals」だ。同社は2017年にコンサルティング企業「Frost & Sullivan」のEntrepreneurial Companyに選出された。また、2018年にはガートナーのCool Vendorsに選ばれ、工場機器の故障予測機能を評価された。

ロボット向け通信システム:CoreTigo

ロボットたちが連携をとりつつ作業を行なう工場で必須となるのが、膨大なデータを遅延なく送受信できる通信手段の確立だ。「CoreTigo」は工場のロボット専用の、遅延の少ないワイヤレス通信システムを開発した。同社はアップルやテキサスインスツルメンツ出身の、コミュニケーションや半導体テクノロジーの専門家たちによって設立された。

ドローン向けAIソフトウェア:vHive

集団で飛行するドローンをコントロールする、AIソフトウェアを提供するのが「vHive」だ。同社のMission AIを用いると建設現場などでのドローンを用いたオペレーションが効率化され、データの分析も容易になる。

ロボットの学習支援デバイス:Deep Learning Robotics(DLR)

ロボットたちに人間の作業を効率的に学ばせるデバイスを提供する企業が「Deep Learning Robotics (DLR)」だ。同社のデスクトップサイズのデバイスは、人間の動きを3Dイメージ化し、ニューラルネットワーク処理によりロボットをコントロールする言語に翻訳する。

編集=上田裕資

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