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2018.09.06

アマゾン「バブル」の破裂を招く3つの要因

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“その時”は必ずくる?

だが、それでも長期にわたってウォール街の動向を追ってきた人なら誰でも、バブルが最終的にどうなるのかを知っている。バブルは破裂し、間の悪いときに市場に大金を注ぎ込んだ投資家たちに、多大な損失を被らせる。

アマゾンの“バブル”を破裂させるものがあるとすれば、それは次の3つの要因だ。

一つはウォルマートをはじめとする小売大手との競争だ。ウォルマートは8月、今年第2四半期(5~7月)の既存店の来店客数と平均客単価が2%以上増加し、オンライン販売の売上高が前年比40%増となったことを報告した。

株式アナリストらは、ウォルマートの業績とそれを実現させた戦略を称賛。ある投資顧問会社のアナリストは、「…価値の提供、店舗の資産の一部であるテクノロジー(オンラインで購入した生鮮食料品の受け取り専用レーンやピックアップタワーなど)への投資、規模の活用、断固とした実行力の重視という戦略の効果だろう」と述べている。

もう一つの要因は、政府が導入を計画しているとされる規制だ。政府はこれまで、FANG(アマゾンをはじめとする米主要IT企業4社)に対してそれほど友好的ではなかった。

そして、もう一つが金利の引き上げだ。利上げが実施されれば、資金調達コストは増加する。これは特に、市場に過度の楽観が広がっているときにブローカーからの借り入れ(証券担保ローン)で株式を購入する投資家たちに影響を及ぼす。

さらに、金利の上昇は株価暴落のきっかけにもなる。リスクがより少ないその他の投資対象が、株式よりも魅力的になるためだ。1986年12月から翌年10月には、実際にそうした状況が発生した。米10年物国債の利回りが7.19%から10.23%に上昇。その後、S&P500種株価指数は200ポイント下げた。その10年後、そして2005~07年にも、同様のパターンが見られた。歴史は今後、また繰り返されるだろうか──?

編集=木内涼子

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