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2018.09.06

元NASAの宇宙飛行士が指揮する「地球外資源」探索プロジェクト

(Courtesy of NASA)

地球上の天然資源のマッピングを行なう米政府機関「アメリカ地質研究所(USGS)」が宇宙に眠る資源の調査を開始した。

USGSはこれまでメキシコ湾沖の油田やカリフォルニアの金鉱床など、米国の資源に特化してきたが、今後は地球外の鉱物や金属のリサーチを行なっていく。

ニュースサイト「Space.com」の記事によると、数カ月前にコロラド州の地下資源研究の名門校、コロラドスクールオブマインズで開催された会議「Space Resources Roundtable)」にUSGSの専門家らが集結。月の資源開発に向けての技術的・金銭的課題や、宇宙太陽光発電の実現性などについて意見交換を行なった。

会議では、月や火星とその近くの小惑星の資源開発が焦点とされた。USGSが宇宙資源探索に力を入れる背景には、所長に元NASAの宇宙飛行士だったジム・ライリー(Jim Reilly)が就任したことがあげられる。ライリーは地質学者で、3回のスペースシャトルのミッションに参加していた。

火星への移住や宇宙旅行への関心が高まると同時に、宇宙での資源採掘に対する経済界や政府の関心も高まっている。ライリーは宇宙資源開発の指揮をとる理想的な人物といえそうだ。

最近の試算では、地球外の小惑星にある水や金属で、人類の需要を完全に満たすことができる可能性が指摘された。しかし、宇宙での資源採掘の実現までには、膨大な費用とリサーチが必要だ。

編集=上田裕資

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