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Chayantorn Tongmorn / Shutterstock.com

アップルは昨年発売したiPhone Xで、指紋認証を廃止し顔認証の「Face ID」を導入した。しかし、顔認証にはマスクをした状態ではロック解除ができないデメリットもあり、指紋認証の復活を望む声も多かった。

その期待に応えるかのように、アップルが米国特許商標庁(USPTO)に、画面埋め込み型の指紋認証システムの特許を出願していたことが8月に判明した。
9月に発表の新端末では、再び指紋認証が採用されるとの期待も高まっていた。

しかし、確度の高いリーク情報でおなじみのアナリスト、ミンチー・クオ(郭明錤)の最新レポートによると、アップルは今年の新端末だけでなく2019年のモデルにおいても、指紋認証を採用しない見通しだという。

ニュースサイト「MacRumors」が入手したクオの調査報告によると、アップルはFOD(画面埋め込み型指紋認証、Fingerprint-on-Display)の開発を進めてはいるが、当面の間はFace IDのみを搭載するという。

クオによると、アップルは同社のFace IDはユーザーらに好評であり、数ある顔認証システムの中でもベストなクオリティであると考えているという。また、FODは特にOLEDディスプレイで高い認証精度を持つが、アップルは今後の数年間、LCDディスプレイ搭載端末の製造を続ける予定だという。

上記のような理由で、アップルはFODの搭載をここ2年の間は行なわないという。

しかし、この決定はアンドロイド陣営との戦いにおいて、アップルに大きなデメリットをもたらす可能性がある。アンドロイド端末ではFODの普及は急速に進んでいる。サムスンが来年1月に発表予定のGalaxy S10もFODに対応し、それと同時にFace IDに匹敵する精度の顔認証システムを搭載するという。

アップルは長年にわたり同社の製品が、アンドロイドよりもセキュアであるとアピールしてきた。しかし、アンドロイド陣営が指紋認証と顔認証の組み合わせで強固なセキュリティを打ち出し始めたなかで、アップルは遅れをとることになる。

さらにいうと、指紋認証と顔認証の両方を搭載することで、ユーザーの選択肢が増える。会議中ならば指紋認証でロックを解除し、手袋をしている場合は顔認証で解除するなど、両方を備えていることのメリットは大きい。

アップルが将来的に指紋認証を再搭載することは確実と思える。同社がパスポートなど重要な身分証明書に代わるものとしてのiPhoneの利用を実現したいのであれば、FODの搭載は必須の課題だ。

間もなく発表されるiPhone XSや価格を抑えた6.1インチモデルが、好調なセールスを記録するのは確実といえる。しかし、サムスンが来年発表するGalaxy S10が高い評価を獲得した場合、アップルが戦略の見直しを行なうことも考えられる。

編集=上田裕資

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