北京の法廷に提出された裁判書類によると、ofoは990万ドル(約11億円)の代金を自転車メーカーの「Shanghai Phoenix Bicycle(上海鳳凰)」に支払っていないという。ofoの支払いの遅延が話題になったのはこれが初めてではない。7月にはスマートロックメーカーが同社に、300万ドルの支払いを求め、払わないのであれば契約を解除すると訴えた。
その後、ofoは7月25日になってようやく、300万ドルを支払っていた。
ofoは完全な資金切れを起こしている訳ではないが、状況から察するに、財務面が健全であるとは言い難い。競合の「Mobike」も同様の事態に直面しているが、同社の場合はテンセントが支援する「美団点評(Meituan Dianping)」に買収されたため当面の間、資金難は回避できそうだ。
Shanghai Phoenix Bicyclesの親会社が発表したデータによると、ofoの今年上半期の営業利益は55%の減少になったという。ofoに関しては同社の筆頭株主である「滴滴出行(Didi Chuxing)」による完全子会社化も囁かれている。
調査会社「PitchBook」のデータでは、北京本拠のofoの企業価値は推定30億ドルとされているが、同社は昨年から資金難に直面した。ofoは今年3月にアリババが主導する資金調達ラウンドで、8億6600万ドルを調達していたが、同社の経営陣と滴滴、アリババの3社間では今後の経営の主導権争いが起きているとも伝えられている。
英「フィナンシャル・タイムズ」は先日、関係筋の話としてMobikeが月間5000万ドル、ofoが月間2500万ドルの損失を生んでいるとレポートした。一部のアナリストは今後、Mobikeとofoが合併に至る可能性を指摘しているが、ofoの創業者はこの案に反対しているという。