メディア配信サービス「Kocowa」を運営するKorea Content Platform(KCP)が、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者と共同で同サービスのユーザー45614人を2カ月にわたってモニター調査した結果、10代の女性が全視聴者の34%を占めることが判明。また、その大多数が韓国人以外の人々だった。
Kocowaは、韓国の3大放送局であるKBS、MBC、SBSのジョイントベンチャーとして2016年11月にロサンゼルスで創業。膨大な量のコンテンツを持ち、新しいドラマなども韓国での放送から数時間以内に字幕付きで配信する。
米国では、楽天の傘下にある2007年設立のVikiや2009年設立のDramaFeverなども韓国のコンテンツを配信しており、Kocowaは後発組に入る。3社はいずれも無料利用枠を設けており、若い層がアクセスしやすいサービスと言える。
KCPのパク・ゴンヒCEOによると、韓国のテレビ番組が支持される背景にはK-POPの流行があるという。「K-POPは米国で根づきつつあり、何人かのスターは既に大人気を博している。それらのスターがドラマに進出すると、Kocowaの視聴者は既に顔を知っている彼らの出演作を見るようになる」
パクはまた、視聴者が韓国ドラマに目新しさを感じる理由として、米国のドラマの違いを次のように述べる。「アメリカのドラマには(ドラマを盛り上げる要素として)暴力や性がよく出てくるが、韓国ドラマではキスシーン以上にドラマチックな場面はない。アメリカではそれほど見られない、恋愛や家族の関係性に重点が置かれた古典的なストーリーが展開する」
DramaFeverのゼネラル・マネージャーを務めるレナ・リウも、韓国ドラマの多くが恋愛に焦点を当てていることが若い女性に支持される理由だと語る。「ファンタジーであれ、歴史物であれ、主人公の恋愛を中心に物語が展開する」
ドラマチックなラブストーリーが多い点は、ラテンアメリカで人気のテレノベラ(主に山あり谷ありの恋愛を膨大なエピソード数を通して描くメロドラマ)とも共通する。
もっとも、韓国ドラマが米国でヒットするための条件については、配信する側も模索中だ。韓国で高視聴率を得たドラマが米国の視聴者に受けるとは限らない。反対に、韓国では振るわなかった「偉大な誘惑者」のような作品が米国で評判になるケースもある。
同作はアメリカ映画「クルーエル・インテンションズ」と同様にコデルロス・ド・ラクロの「危険な関係」をモチーフとしており、KCPは「クルーエル・インテンションズ」に馴染みのある米国の若者の方が韓国の若者よりも内容に親しみを感じられたのではないかと考えている。