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2018.08.31

交渉で「ノー」と言われたら 行き詰まったときの5つのステップ

Nosov Andre / shutterstock

キャリアを進める上で、内定条件や役割変更に伴う昇給・昇進、勤務スケジュールなどを交渉する場面に出くわすことは多い。

交渉すべき理由について記事を書けば、丸々1本書けてしまうだろう。それほど、交渉スキルは仕事やプライベートの充実に欠かせないものだ。私が開いている交渉ワークショップで頻繁に受ける質問の一つは、交渉相手が「ノー」と言ったときの対処法だ。

ここでは、交渉で相手に自分の要求を拒否されたときに取るべき5つのステップを紹介する。

1. 慌てない

拒否されてうれしい人などもちろんいない。しかし交渉では、あなたと異なる意見を持つ人が相手なので、「ノー」と言われる可能性は高いはずだ。相手が自分の提案を拒否することを予想して交渉を始めつつ、諦めずに成功させる意志を持とう。

断られても、諦めるのではなくさらに交渉を続けよう。「ノー」という言葉を個人攻撃と捉えないこと。あなたの存在自体が否定されたと考えず、あなたが頼んだ特定の要望が断られただけだと考える。交渉では、両者が落ち着きを取り戻せる沈黙の時間が役に立つ。一息ついて、一度拒否されたことを頭に入れつつ交渉を続けよう。

2. なぜ「ノー」なのかを聞き出す

人は拒否されると説得モードになり、相手に同意を強いてしまいがちだ。そうではなく、なぜダメなのかについて相手に質問を重ねよう。

在宅勤務を希望して上司に断られた場合、「何がご懸念か教えていただけますか?」と尋ねる。上司としては、チームが職場でアイデアを共有することを望んでいるのかもしれないし、すぐにあなたに連絡を取れるようにしておきたいのかもしれない。また、遠隔勤務をすることによる技術的な安全性や、全員が在宅勤務を希望することを憂慮しているのかもしれない。

拒否された理由にはさまざまなものがあり得る。反論するときは、その理由に合わせて論理や言葉遣いを変えること。技術的安全性など未解決の問題が原因の場合は、計画を立てることに注力する。また、チーム全員が在宅勤務を要求するかもしれないなど感情的なことが原因の場合には、懸念事項について話を聞き、それを和らげるための計画を一緒に考えることができる。

拒否された理由を完全に理解せず説得モードに入れば、間違った議論を展開してしまうかもしれない。さらに、相手の視点をより深く理解しようとせず即座に反論すれば、相手が防御的な態度を取り、それ以上会話ができなくなる危険性もある。

3. 柔軟に代替策を考える

交渉に備える重要なステップの一つは、自分の希望を実現させる代替策を考えることだ。柔軟な勤務をしたいという希望が上司に認められても、さらに上層部の管理職に拒否されれば、直属の上司とどれだけ交渉しても状況は変わらない。また、拒否した管理職に直接掛け合えば、あなたと上司の両方に問題が生じてしまう。
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翻訳・編集=出田静

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