ジェフ・ベゾス流、素晴らしい人材を採用する方法

ジェフ・ベゾス(Photo by Drew Angerer/Getty Images)


一方でベゾスの指針は、従来型の採用方法よりもはるかに効果的なシステムであることが分かる。

完全な一人の人間として採用する

ベゾスの問いの焦点となるのはシグナルではなく、こうしたシグナルを達成しようとする候補者の背後にあるモチベーションだ。ベゾスの問いは、候補者の実績を明らかにすることだけでなく、候補者が何かを達成するための原動力となったものに焦点を当てている。これにより、2次元ではなく3次元の候補者像が構築される。

上述の3つの問いは、確かに主観的だ。そしてこられの問いの良い点は、候補者一人一人がユニークな存在だと認めていることだ。これにより、候補者が生きた存在になる。誰かに敬服できるかどうかは、経歴よりもはるかに大きなものに基づいている。私にとって、経歴があるものの二度と会いたくないと思う人は多くいる。敬服されるような人は、経歴に加え、傑出した人間性を持つ人材だ。候補者は、履歴書に書かれていることを超えて、どのような人物になる努力をしているのだろうか?

グループの平均値を上げる従業員についても同じことが言える。大半の人は、自分が優秀であると思われたがっているが、中には、役に立たないメンバーの中で最も賢い人物になることで、それを達成しようとする人もいる。一方で、正しい認識を持っている人ならば、自分の優秀さはチームや周囲の人の成功によってより効果的に示せることを理解している。

同僚同士は多くの時間を一緒に過ごすため、必然的に平均値に落ち着いてしまう。その場合、企業がすべきことは、その平均値を継続的に上げることだ。従来型の採用は、候補者の弱みを疑うことに重きを置いているが、チームのレベルが上がるのは、大きな強みを持つメンバーが加わった時だ。

人々は、同じことを達成したとしても、それぞれが全く異なるモチベーションを持っている。経歴は最も見やすいものかもしれないが、モチベーションは木を作る根のようなものだ。雇用主が掘り起こす必要のあるものは、候補者の通った学校ではなく、その原動力だ。その人のモチベーションとなるものとは? そして、その理由は何か? 結局のところ、会社の未来を決定するのは、それぞれの人材が持つユニークさなのだ。

編集=遠藤宗生

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