山崎は「プログラムは起業家の育成ばかりを目指しているわけではありません。就職しても、農家や医者、政治家、起業家、どんな分野に進んでもいい。これまでとらわれてきた慣習を打ち破り、組織や地域を変えたり、多くの人を共感させたりできるような、起業家精神を持つ人を社会に送り出したい」と語る。
補助金に頼らなくて済むような産業や企業を担う人材を育てる観点から、LEAP DAYや起業家育成プログラムは開始当初から、企業から集めた資金だけで運営している。スポンサー企業は、当初のIT関連企業4社から、今では金融機関や流通・小売り、教育、製薬会社まで71社・団体に広がった。
17年9月には、そのスポンサー企業同士が連携する動きもみられた。沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行、コザ信用金庫の地元金融機関4社とRyukyufrogsらが「次世代ベンチャーの発掘と育成」で連携する協定を結んだ。スポンサー企業も“化学反応”を起こし始めている。
18年12月に予定するLEAP DAYは節目の10回目を迎える。比屋根は「私たちの取り組みはまだ“点”にすぎません。これから10年をかけて協賛企業のコミュニティづくりに取り組んでいきたい。Ryukyufrogsが子どもたちや協賛企業の社員が年齢や業種、立場を超えて集まるような共同体になればいいと思っています」と話す。
比屋根隆◎Ryukyufrogs発起人。レキサス代表取締役社長。1998年位レキサスを創業。さまざまなインターネットサービスをリリース。2008年にRyukyufrogsを始動。
山崎暁◎Ryukyufrogs General Organizer。 FROGS代表取締役。2017年9月、レキサスの人事事業部門を独立起業する形でFROGSを設立。