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沖縄では「Ryukyufrogs」がイノベーター人材を発掘・育成するプログラムを行なっている

日本には現在、新しいイノベーションの担い手を育てるコミュニティが生まれている。そこには自ら変革を起こすリーダーたちと若者たちの起業家精神を育てる仕組みがあった。


「『LEAP DAY』に参加すると、参加者がみな、“ファン”になってくれます。東京やシリコンバレーから沖縄に来てくれたゲスト、地元企業や県外から訪れた参加者まで、起業や沖縄への思いを同じくする人たちがひとつにつながる、非常に心地いい空間です」

沖縄県在住の中学生から大学生までの若者を対象に、起業家精神を身につけたイノベーター人材を発掘・育成するプログラムを2008年から手がけるRyukyufrogs(リュウキュウフロッグス)発起人の比屋根隆はこう話す。

LEAP DAYは、毎年、このプログラムに参加した学生が、半年間のプログラムの“集大成”として自分たちで考え出したビジネスプランを英語で披露するほか、米シリコンバレーなど国内外の第一線で活躍する起業家や投資家とのコラボセッション、沖縄伝統舞踊のエイサーやダンスなどのパフォーマンスイベントも行われる。昨年は630人が集まった。

Ryukyufrogs General Organizerの山崎暁は「LEAP DAYは、プログラムの参加者が飛び立つ場であるだけでなく、参加したみんながエネルギーを交換し合う場にもなっています」と言う。



イベントに参加すると、プレゼンテーションをした学生はもちろん、会場を訪れ、教え子や子どもが成長する姿を目にした先生や親、さらには、すでに一線で活躍している起業家やスポンサー企業の担当者までもが目の色を変えるのが見てわかるという。

比屋根や山崎がRyukyufrogsを始めたのは、「沖縄を変えたい」との思いからだ。比屋根は「沖縄は“補助金頼み”の姿勢が染みついた企業や経営者も少なくありません。沖縄の企業や産業がもっと自立するためには、俯瞰的な視点から地域をみたり行動したりできるグローカルな人材が必要。そんな若者を育てたかった」と振り返る。

これまでプログラムを修了した77人には、個性豊かな“卒業生”が多い。3期生の兼城駿一郎さんは、沖縄工業高等専門学校の在学中にプログラムに参加。同校卒業後、リクルートを経て、SNSデータ解析ツールやマーケティング支援事業を手がけるmisosil(ミソシル)を立ち上げた。

高校時代に3つのアルバイトを掛け持ちするなど貧困家庭に育った7期生の豊永一心さんは、プログラム修了後に、研修でも経験したプログラミングを本格的に学びたいと考え、高校を休学。クラウドファンディングを通じてお金を集め、セブ島への留学を果たした。

8期生の島尻優楓さんは、現在、慶應義塾大学に在学しながら、いじめを受けている子どもたちが気軽に相談できるスマホアプリを開発中だ。実に多彩な人材が巣立っていった。

この記事は「Forbes JAPAN 2018年08月号」に掲載されています。定期購読はこちら >>

文=池田正史 写真=大城 亘(camenokostudio)、 若原瑞昌

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