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2018.09.04 07:30

行ってみると驚きの連続 「エストニアの時代が来る」と思う理由

エストニアの首都タリン、政府が支援する「TELLISKIVI CREATIVE CITY」と呼ばれるエリア

「IT先進国」「ブロックチェーン大国」エストニアの噂は、シリコンバレーから日本に戻る度に、よく耳にしていた。安倍首相をはじめ、著名投資家、起業家の先輩方、仲間たちが、こぞってエストニアに行くのをSNSで見て、会えば話を聞いていた。

その誰もが口を揃えるのが、エストニアがIT先進国であり、e-Regidency(電子移住権)があり、スタートアップも始めやすいということだ。ならば、未来をつくるヒントがあるのでは……と、自分の目で見たくなり、この夏、フィンランドへ旅した際、エストニアにも足をの伸ばしてみた。

8月上旬、福岡からフィンランド・ヘルシンキへと飛んだが、わずか9時間で着いたことにまず驚いた。ヘルシンキは、福岡からいちばん近いヨーロッパだそうだ。エストニアはそこからフェリーで約2時間。首都タリンへと向かった。

フェリーのなかには、バーやレストランがいくつもあり、乗客が踊れるようなライブも2つの場所で行われていた。スーパーもあり、ショッピングも楽しめた。もはや、日本でイメージするフェリーではなく、立派な客船だった。しかも、往復で60ユーロ(約7800円)とかなり格安。エンターテイメントがあり、景色も綺麗で、料理も美味しく(30ユーロで食べ放題)、最高の船旅だ。

驚きづくしのエストニア

今回の滞在にあたっては、エストニアのIT企業「Riftal」でインターンをし、その経験をブログで発信していた日本の知人に、現地の有名なIT経営者、日本人でありながら政府のブロックチェーンのアドバイザーなどをしている人々を紹介していただいた。

その中でも現地で長い時間を共にしたのが、RiftalのCTOのAlvar Laignaだ。Riftalはブロックチェーン開発サービスの受託をしている企業だ。彼はオフィスにも招いてくれ、2人の仲間を紹介してくれた。


Riftalのパートナーたち。左から、Denis Senkevits、Taavi Larionov、筆者、Alvar Laigna

同世代のIT経営者3人。ミーティングをした後は、その知り合いが経営するレストランバーで食事をした。乾杯は地元のビール、「Pojhala」。クリエイティビティにあふれた創作料理のなかには、焼き鳥のつくねも出てきて、興味深かった。

食事をしながらスタートアップエコシステムやブロックチェーンなどの話をしたが、3人とも英語が流暢だし、シリコンバレーにいるのとなんら変わらないビジネススタンスとスピードだった。

そしてなにより、スタートアップエコシステムがオンライン上で確立されていることに驚いた。「Startup Estonia」のサイトでは、スタートアップのフェーズによって、誰の支援を受ければよいか、どのパートナーを選べばよいかが、わかりやすく掲載されている。これは便利すぎる。

その後、5つ星ホテル、ソフィテルの最上階のバーで飲んだ。タリンの一等地にあるバーから街を見ながら、エストニアの家賃の安さを聞いてまたびっくり。ソフィテルのレジデンスで、2部屋で9万円ほどという。日本で言えば銀座や六本木にあたる場所で、この金額はありえない。


タリンの旧市街、石畳の街並みが美しかった

次の日は、スタートアップの若者たちが多く住んでいるエリアを訪れた。そこは、オシャレで、ヒップで、すごく開放的で自由な雰囲気だった。壁にはグラフィティが描かれていたり、線路が途切れたところに電車をモチーフとしたカフェがあったり。ローカルのバイクを飾ったRENARDというカフェで、美味しいコーヒーとハンバーガーを食べた。
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文=森若幸次郎

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