出張については従来、家族や友人と過ごす時間を減らしたくないという理由から、少ない方がいいとされてきた。だが、最近ではそうした考え方にも変化がみられる。
トラベル・コマース・プラットフォームを提供するトラベルポートが米国の労働者を対象に行った調査によると、出張する人はほぼ全てが常に勤務先の規定に沿って宿泊施設などを選んでいるものの、55%は自分で追加料金を支払い、ホテルの客室や旅客機の座席のアップグレードをしているという。
例えば、ホテルはより広い客室に、航空の座席はより快適なクラスに変更したりするほか、特別なサービスや特典、高速で接続できるWi-Fiサービスがあるホテルを選ぶなどしている。
調査に協力した出張者の83%は、「出張は働く者の特典であり、負担ではない」と答えた。さらに、「今より頻繁に出張の機会がある会社で働きたい」と回答した人は40%となっている。調査ではそのほか、次のようなことが明らかになった。
・回答者のおよそ半数は、雇用主がGPSを用いて出張中の自分の所在地を確認することを受け入れるという。出張中の安全のため、雇用主に個人的な情報を提供しても構わないという人も、55%に上った。
・回答者の70%は、出張のためのオンライン予約をすることでカスタマイズされた広告が表示されるようになっても、問題はないと考えている。
・企業各社の今年の出張予算は、昨年よりも増えていることが分かった。増額されたと答えた回答者が57%に上った一方、減額されているという人はわずか4%だった。
・回答者の約80%が、航空会社やホテルなどの予約は自分でする方がいいと答えた。ただ、経費の報告にかかる手間を省くため、経費採算はできる限り自動化してもらいたいと考えている。
・出張者にとって、搭乗する航空便を選ぶ際に最も重要なのは、料金ではなく時間であることが分かった。回答者の48%が、旅程を組む際に最も重視するのは出発・到着時刻と、乗継便や経由便を避けられるかどうかだと答えた。経費を抑えることが重要だと考える人は、12%にとどまっている。
・回答者の90%近くが勤務先から、出張で貯まったマイレージポイントを自分や家族、友人などのために利用することが認められている。