ビジネス

2018.09.04

東大を中退して起業 「プログラミングで誰かの人生を変えたい」#30UNDER30

Progate 加藤將倫


プログラミングは一発逆転の武器にもなりうる

──海外事業の手応えはいかがでしょうか。今年の7月にはアメリカ、8月にはインドに法人を設立されました。
 
国によって、プログラミングの普及状況も求められる学習コンテンツも違うので簡単ではありません。例えば、インドでは高校生が紙媒体でプログラミングを学んでいるので、日本の大学生相当の入門コンテンツで参入できると考えています。ですが、向こうの大学生には日本よりもハイレベルなコースが必要です。
 
同時に、需要の高さも感じています。ブラジルではプログラミングは、ほかの職業に比べて5倍近く稼げることもある。実際、Progateを始めたいというブラジル在住の方にクーポンを渡したら、後に家族写真が同封された感謝状を頂いたこともあります。プログラミングスキルは一発逆転を狙うための強力な武器として認識されているんです。
 
そういう人生の転機をたくさん提供できたら、僕たちとしても幸せです。ただ、プログラミングを覚えるだけでなく、それを地域ごとのビジネスにつなげるところまで支援したい。Progateによって生まれる人生の変化=差分を最大化していきたい。
 
──現地のプログラミング学習サービスに勝つためには、どんな要素を強化しようと考えていますか?
 
コンテンツ量はもちろんですが、独学を続けるためには励ましあえるコミュニティ形成も大切だと思っています。僕自身もそうですが、ひたすら独りで学習し続けるだけではなかなか続かない。
 
日本のProgateはWeb上の学習アプリには珍しく、SNSでユーザー同士が励ましあったり、オフ会を開いたりしています。

また、ユーザーがブログやツイッターでProgateへの愛を発信してくれることも多い。ほかに頑張っている人の姿が見えたり、一緒に目標を設定したりできればモチベーションを維持できます。最初から狙っていたわけではないですが、こうした状態を海外でも再現したいですね。
 
完璧にプログラミングをできるようにならなくても、Progateを通じてプログラミングの楽しさを知ってもらえると嬉しいですね。かつての僕がそうだったように、創る楽しさを味わってもらえればと思います。



Forbes JAPANはアートからビジネス、 スポーツにサイエンスまで、次代を担う30歳未満の若者たちを表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」を、8月22日からスタートしている。

「Business Entrepreneurs」カテゴリーで選出された、Progateの加藤將倫以外の受賞者のインタビューを特設サイトにて公開中。彼ら、彼女たちが歩んできた過去、現在、そして未来を語ってもらっている。



加藤將倫◎1993年愛知県生まれ。東京大学工学部中退。小学校と中学校をオーストラリアのパースで過ごす。2014年7月に「初心者から、創れる人を生み出す」ことを理念に、オンラインプログラミング学習サービスのProgateを創業。『Forbes 30 Under 30 ASIA 2018(Forbesが選ぶアジアを代表する30歳未満の30人)』に選出。

文=野口直希 写真=帆足宗洋

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