ビジネス

2018.09.04

東大を中退して起業 「プログラミングで誰かの人生を変えたい」#30UNDER30

Progate 加藤將倫

Forbes JAPANは、次世代を担う30歳未満のイノベーター30人を選出する特集「30 UNDER 30 JAPAN」を、8月22日からスタートしている。
 
「Business Entrepreneurs」カテゴリーで選出された、Progateの加藤將倫。彼が立ち上げたプログラミング学習サービス「Progate(プロゲート)」は45万人以上のユーザーを抱え、国内トップクラスの規模を誇る。初学者にもわかりやすい設計と、60レッスンを超える豊富なコンテンツ数が人気を集めている。
 
創業したのは、2014年に東京大学を中退し、事業への専念を決めた加藤將倫。メルカリ創業者の山田進太郎やロンドンブーツ田村淳からも出資を集め、2018年7月にはアメリカ、8月にはインドでの子会社設立を発表した。
 
着実にサービスを拡大させる堅実な姿勢がアドバイザリボードの3人から高く評価された加藤。そんな加藤に起業の経緯から今後の展開まで話を伺った。
 
起業のきっかけは自分自身の挫折経験にある

──加藤さんが起業しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
 
ほかの誰でもない、僕自身がプログラミングのスキルを身につけるのに苦労したことがきっかけです。僕は大学3年生の頃、情報学科への進学を機にプログラミングを学び始めました。ちょうどスマホが普及してきた頃で、アプリを開発してみたい、と思ったんです。
 
物覚えが良い周囲の東大生に対して、僕ははなかなかコツが掴めずにいました。ネットで検索しても使いやすそうなプログラミング学習ツールが見つかりませんでしたし、一緒に勉強できる人も周りにあまりいませんでした。
 
そんな僕を取り巻く状況が変わったのは、現在Progateで一緒に働いているメンバーとプログラミング学習を始めてからです。また、CTOの村井(謙太)が見つけてくれた受託の仕事を通じて、プログラミングを教えてくれる人に出会えたこと。加えて仕事ということもあって後には引けなくなり、覚えることができた。

そのときにアプリの開発フローをひと通り教えてもらったことで、フリーランスとして仕事をこなせるようになり、プログラミングがどんどん楽しくなっていった。自分の価値を認めてもらえてお金までもらえる。僕にとっては、とても貴重な経験だったんです。
 
それから少しずつ、僕がプログラミングを教える立場になっていったのですが、やはり教わる側は僕と同じように途中で壁にぶつかってしまう。既存のプログラミング学習ツールは継続して学習しづらく、プログラミングの楽しさがわかる前に挫折してしまうんです。

僕は偶然、人と機会に恵まれましたが、当時の僕には全員につきっきりで教える時間はありませんでした。そこで彼らが独学できるようサイトをつくった──これがProgateの開発に至った理由です。


創業初期のProgate
次ページ > 大規模イベントSXSWで抱いた「憧れ」

文=野口直希 写真=帆足宗洋

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事