機械式時計の技術が満載 コンプリケーションウォッチ

ロイヤル オーク・トゥールビヨン・エクストラシン

時計の中でも、最高峰の技術と位置づけられるのが、コンプリケーションウォッチ=複雑機構と呼ばれるものである。

それは、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーターなどといった機構のことを指す。ただし、その中には、クロノグラフやアラームといった機構は含まれない。また、カレンダー表示に関しては、「月」「日」「曜日」と3つあるものをトリプルカレンダーと呼び、技術的には高度なのだが、この機構もコンプリケーションとは呼ばない。

ただし、クロノグラフにトリプルカレンダーが加わったり、トリプルカレンダーに西暦表示やうるう年の表示などの機能がさらに搭載される場合、それはコンプリケーションと呼ばれることになる。

今年もコンプリケーションウォッチがいくつか登場し、かなり高額な価格が設定されていた。時計の価格においては、プラチナ、ゴールドといった高級素材を使用することよりも(もちろん高額商品なので、ほぼ高級素材が使われるが)、この機構がどれだけ複雑か?高い技術を要するか?ということが重要視されるのだ。

それらは、熟練のいわゆるマスター級の職人の手で一つひとつ機械が組み上げられていく。機械の細かさ、複雑さといった技術難度が高いのはもちろん、それを作れる職人の稀少性も加味しているのだ。だから、生産効率は極めて低い。

月に1本、さらにはトゥールビヨンとパーペチュアルカレンダーがひとつのケースに収まるなど、複雑機構が複数搭載されたものはグランドコンプリケーションと呼ばれるものになると、1年に1本というものもあるくらいだ。その場合、超高額となること必須である。



A.LANGE&SÖHNE / A.ランゲ&ゾーネ
トリプルスプリット

機械式クロノグラフで初めて時積算計にラトラパンテ針を加え、秒、分、時の3単位において、2つの計測時間を最長12時間まで計測できる。手巻き、18KWGケース 、43.2mm径 13万9000ユーロ(ドイツVAT込 参考予価) 問/A.ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080


AUDEMARS PIGUET / オーデマ ピゲ
ロイヤル オーク・トゥールビヨン・エクストラシン

それまでにない高級スポーツウォッチとして登場した「ロイヤル オーク」。そのタイムピースに捧げるオマージュとして新しいダイヤルデザインが登場。ケースの厚さ9mmの薄型複雑時計だ。手巻き、SSケース 、41mm径 価格は要問い合わせ 問/オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000


BLANCPAIN / ブランパン
ヴィルレ フライング トゥールビヨン
ジャンピングアワー レトログレード ミニッツ

時間は6時位置にオフセットされたダイヤルに、ジャンピングアワーとレトログレードミニッツで表示。トゥールビヨンは、ケージが宙に浮いているように見える。手巻き、18KRGケース、42mm径 1459万円(予価)問/ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233
次ページ > ハリー ウィンストンほか2つの時計

文=福留 亮司

タグ:

連載

WATCH & JEWELRY

ForbesBrandVoice

人気記事