深センで2012年に設立された企業「UmiDigi」の最新モデル「One Pro」の外観は、iPhone Xとファーウェイの「P20 Pro」を組み合わせたようだが、価格はわずか約170ドルだ。この端末は顔認証機能を搭載していないにも関わらず、ディスプレイにノッチがあり、iPhone Xを模倣していることは明らかだ。背面のガラスパネルは紫と青のグラデーションで、P20の「トワイライト」にそっくりだ。
製品のデザインは露骨なパクリだが、深センの小規模メーカーは大手の製品の外見や操作性を徹底的に模倣した製品を作っている。One ProのMediaTek製チップセット「Helio P23」は凝ったゲームを楽しむにはパワー不足だが、インスタグラムやWhatsApp、Gmailを使う程度であれば問題はなく、ほとんどの人にとって十分な性能といえる。
ハードウェア面では、NFCやワイヤレス充電、背面のダブルレンズなど、ローエンドやミドルレンジの端末には珍しい機能が搭載されている。だが、筆者が使ってみて一番印象に残ったのが、全体に漂う高級感だ。
現在、筆者はサムスンの「Galaxy Note 9」をテスト中だが、手に持った感触は170ドルのOne Proと1250ドルのGalaxy Note 9とでほとんど差がない。ディスプレイや背面のガラスパネルはNote 9ほど丈夫ではないだろうが、感触は遜色ないほど滑らかだ。
筆者は、決してOne ProがNote 9と同等レベルの端末だと言いたい訳ではない。しかし、米国のテック系ライターの大半はメジャーなブランドの端末しかテストしたことがない。彼らがOne Proのような中国製端末を手にしたとき、どのような評価を下すか見てみたいものだ。
シャオミは最近、Note 9と全く同じチップセットとRAMを搭載した新端末を300ドルでリリースした。UmiDigiのOne Proの外観はパクリだが、わずか170ドルでNote 9に匹敵するプレミアム感を感じさせる端末といえる。サムスンのNote 9は確かに優れた端末だが、これらの中国製スマホとの価格差がこれほどまでに大きいと、手放しで褒め称えるのは難しい気がする。