ビジネス

2018.08.29

アップルを倒産から救った、ジョブズの「ある質問」

スティーブ・ジョブズ(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)


良い質問が良い戦略を作る

この動画は、情熱があらゆるものの基盤となることを私たちに思い出させてくれる。自分自身がインスピレーションを受けていない状況では、チームを鼓舞することはできない。しかし「私たちが情熱を傾けるものは何だろう?」という質問を投げ掛けるだけでは十分ではない。良い質問ではあるが、それだけでは十分ではない。

スティーブ・ジョブズは私たちに、インスピレーションをもたらすリーダーは会社の真の目的を追求するため、深くて意味のある質問を投げ掛けるということを教えてくれた。あなたも自分とチームメンバーに、次のような問いを投げ掛けてみよう。

毎日の原動力となるものは何か?
わくわくした気持ちになるものは何か?
顧客の夢の達成をどうすれば支援できるか?
私たちの中心的価値観は何か?
私たちが支持しているものは何か?
世界における私たちの居場所は?

こうした質問は、企業の中心理念の伝え方を決める上で大きな役割を果たし得る、見識にあふれた答えを導き出してくれる。

私が研究するのは月並みのリーダーではなく、インスピレーションを与えるリーダーだ。インスピレーションの定義は、聴衆の中から「強い熱意を引き出す」というものだ。ただし、自分自身がインスピレーションを受けていない限り、他者に強い熱意を持たせることはできない。まずは正しい問いを自らに投げ掛け、自分が情熱を傾けるものが何かを特定しよう。

スティーブ・ジョブズが12年ぶりにアップルに復帰したとき、同社は苦境に立たされていた。彼は腰を下ろし、こう自問した。「私が、アップルについて人々に知ってもらいたいものは何だろう?」。正しい質問をするだけでは、1兆ドル企業は作れないかもしれない。しかし、想像できた以上の成功を得られるはずだ。

編集=遠藤宗生

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