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Kim Britten / Shutterstock.com

世界で最も危険な建築材料の一つ、アスベストの使用禁止は幅広い支持を得た。だが、米国では多くの命を奪う可能性があるこの発がん性物質が再び、条件次第では使用可能なものとなった。

建築業界に関するニュースや情報を発信する「The Architect’s Newspaper(アーキテクツ・ニュースペーパー)」によると、米環境保護庁(EPA)は今年6月1日、アスベストを含有する製品の使用を届け出によって認める新たな「重要新規利用規則(SNUR)」を導入した。EPAは5月には、最優先でリスク評価を行う物質のうち、アスベストについては大気・土壌、水への影響に関する評価を実施しないことを決定していた。

多くの国がアスベストの使用を完全に禁止するなか、米国は全面的な禁止はせず、広範な使用の制限にとどめてきた数少ない先進国の一つだ。アスベストへの暴露を防ぐため、1973年には大気汚染防止法に基づき、防火・断熱材としての吹き付けアスベストが禁止された。また、EPAは1989年、アスベストの使用を段階的に制限、最終的には禁止を目指すとした規則を導入していた。

環境保護活動家らはアスベストにSNURが適用されたことについて、この物質を含んだ製品の製造を化学製品メーカーの裁量にゆだねることになると批判している。

関連疾患で毎年多数が死亡

アスベストが原因とみられる死者数は、調査結果によって大きく異なる。非営利団体のEWGアクションファンドの調査によれば、関連疾患で死亡する米国人は、毎年およそ1万2000〜1万5000人に上るとみられている。一方、この問題に取り組む別の非営利団体、Asbestos Disease Awareness Organization(アスベストス・ディジーズ・アウエアネス・オーガニゼーション)は、年間死者数は3万9275人としている。

EWGのウェブサイト「アスベスト・ネーション」によれば、1999~2013年までにアスベスト関連疾患で死亡した人は、最も多かったカリフォルニア州で2万1338に上った。全米では同じ期間に、12万7579~15万9480人が死亡したと推計されている。州別の死者数は、以下のとおりとなっている。

・カリフォルニア/2万1338人
・フロリダ/1万4248人
・ペンシルベニア/1万4216人
・ニューヨーク/1万2146人
・テキサス/1万1905人
・イリノイ/9720人
・オハイオ/9960人
・ニュージャージー/9395人
・ミシガン/7878人
・ワシントン/7244人
・バージニア/6452人
・マサチューセッツ/6388人

出典:Asbestos Nation (EWG Action Fund)

編集=木内涼子

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