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Pe3k / Shutterstock.com

音楽業界では1940年代から「ビルボード」のチャートが重要な指標として用いられてきた。レコードの販売店は彼らのチャートを参考に仕入れを行なっていた。

しかし、デジタル時代の到来とともにビルボードのチャートは、現実にそぐわないものになってしまった。そして今、彼らの競合となる勢力が誕生した。ニュースサイト「Variety」や「Rolling Stone」を傘下に持つメディア企業「Penske Media」は7月末、ストリーミング楽曲の集計に強みを持つ音楽アナリティクス企業「BuzzAngle Music」を買収した。

1980年代以前のビルボードのランキングはレコード会社やラジオ局、大手の小売店の圧力で、不正な操作が行われるのが常態化していた。当時は電話アンケートをもとにした集計だったので、水増しは簡単に行なえた。

その後、1991年にレコードやCDのバーコードを追跡するニールセンのシステム「SoundScan」をビルボードが導入し、それ以来ニールセンのデータがチャート作成の必須のツールとなった。

しかし、ニールセンの集計が有効だったのは、音楽業界で物理的セールスが中心だった時代までだ。現代では楽曲の人気度はストリーミングや動画のPVによって測られるようになり、従来の指標が意味を持たなくなった。

ビルボードもデジタルデータの取り込みを開始したが、彼らの発表するチャートが、ストリーミング時代の現実にそぐわないと指摘する声も多い。

そんな中で存在感を高めたのがBuzzAngleで、そのデータは音楽業界の大手から支持を集めている。Penskeは今後BuzzAngleを上場企業にし、ビルボードと真っ向から対立する企業に育てようとしている。

BuzzAngleは現在、米国と英国の一部の市場に進出しているが、Penskeの出資を受けてさらに市場を拡大しようとしている。

ビルボードはこれまで音楽業界で最も権威あるチャートとして存在感を誇ってきたが、その地位は今や安泰とはいえない状況だ。

編集=上田裕資

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