ビジネス

2018.08.31

仕事中に気が散る人が「イマココ」に没入するコツ

antoniodiaz / Shutterstock.com


つまり人は、没頭体験じたいが「イマココ」にあるとき、それしか考えられなくなるものです。そして、そういうとき、脳を駆け巡るマインドワンダリングがピタッと止まり、ゾーン状態に入ることができるのです。
 
興味深いのは、一度焚き火をすることで、その後も集中力が続いたというところです。マインドワンダリングに囚われなくてもいい自分を一度経験できると、囚われている自分から離れられるようになってきます。友人の場合、定期的にキャンプをして焚き火をしていくうちに、気がついたらいつでも「イマココ」に集中できるようになれるのかもしれません。

「考えなければ」から離れること
 
もちろん焚き火ではなくとも、誰にでもそういうツールがあると思います。簡単にできるものであれば瞑想やマインドフルネスもいいですし、得意なスポーツやアウトドア、キャベツを刻むことや鍋を磨くことなど、「ついやってるうちに夢中になってしまうこと」が、実はビジネスシーンでの集中力を高めるのに大きな手助けをしてくれることもあるのです。
 
上司に怒られたり、取引先の機嫌が気になったり、なんだか気持ちが塞がってぐるぐる考えてしまうときは、「考えることそのもの」に没入するのではなく、とにかく何か夢中になれることをやってみてはいかがでしょうか。ふと我に返ったとき、「何を心配してたんだろう」と思えるはずです。

真面目な人ほど、「ここでちゃんと考えなければ」と思い込みがちですが、それでは自分を蝕むばかりです。それよりも一旦その思考から離れ、客観的になれることの方が大事です。あまりにも抜けられない人は、まず立ち上がり、夢中になれることを試してみてはいかがでしょうか。

連載:働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル
過去記事はこちら>>

文=尾原和啓

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事