英医学誌ランセットに先ごろ掲載された論文によると、アルコールは「ときどき」摂取するだけでも有害だという。論文の著者らは、各政府に対し、国民に完全な断酒を勧めるべきだと訴えている。
アルコール摂取が原因で死亡した人は2016年、およそ280万人に上ったとみられる。また、15~49歳の早期死亡の主なリスク要因には、飲酒が関連していることが分かった。
研究結果によれば、中程度の飲酒でも長期的に見れば、健康に対する利点は限定的なものだ。これまで1日1杯の赤ワインは心臓に良いとされてきたが、健康上の利点があったとしても、それを大きく上回る有害な影響があるという。
以下、調査結果から明らかになったアルコール関連死が多い上位5カ国と、男女別の死者数を紹介する(2016年、人数は左が女性、右が男性)。
・中国/5万9000人、65万人
・インド/4万2000人、29万人
・ロシア/4万3000人、18万人
・ブラジル/2万1000人、7万6000人
・米国/1万9000人、7万1000人
出典: The Lancet: GBD 2016 Alcohol Collaborators