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2018.08.28

米国で成熟するクラフトビール市場 マーケティング面での課題

Jacob Lund / Shutterstock.com


クラフトビールファンは新しいもの好き

クラフトビール愛好家は、新しいビールを試したがる傾向にある。好みのビールが見捨てられることはないだろうが、脇へ追いやられる可能性はある。こうした新しもの好きの傾向により、一度確立したブランドの育成が困難になるかもしれない。

「比較的古くからある主力ブランドは、新鮮味がないために苦戦している」とガッツァは言う。「ビールが別のブランドにどんどん置き換えられる『ローテーション・ネーション(回転国家)』という考え方は、ビール愛好家を喜ばせているが、醸造者や販売店側のブランド構築や売り上げ維持を困難にしている」

カテゴリー差別化の課題

真のクラフトビールと、大規模醸造業者が生産する偽りの「クラフトビール」との違いは何か? 愛好家が重んずる本物のクラフトビールには、ブルワーズ・アソシエーションの認定を受けた「インディペンデント・クラフト」シールが貼られている。

このシールは、3400以上の醸造業者が使用。ガッツァ代表によると、シールの認知度は拡大している。「シールはボトルや缶、6本パックのホルダー、ビールケース、たる、醸造所の窓や壁に貼られている。最近では、クラフトビールを提供するバーやブルーパブのメニューでも使われている。シールをフィーチャーしたアパレル用品もたくさんある」

「アンケートでは、他との差別化を図るためにシールを使いたいとの声が出ている。全てのクラフトビールにシールが付いているのが当たり前、というレベルには未だ達していないが、今後1、2年の内にその日はやって来るだろう」

編集=遠藤宗生

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