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写真家 吉田志穂

「人生で何かに熱中したことがなかった私が、はじめて熱中できるものを見つけたんです」──。クールな容姿で嬉しそうに写真への愛を語るのは、26歳の写真家、吉田志穂。

1992年に生まれ、インターネットと共に育った彼女は、大学生の頃に「インターネットで検索した写真と自分で撮る写真の違いはどこにあるのか?」と疑問を抱きはじめた。そしてその自身の疑問をもとに、「ものを写すこと、見るということについて新しいシステムをつくりだす」というコンセプトを軸に作品を作り始めたという。

彼女の写真を見ていると、インターネットと現実の境界線が曖昧になりつつあるこの現代に、「あなたは世界をどう見るのか?」と問いを投げかけられているように思えてくる。

Forbes JAPANでは現在、30歳未満の次世代を担うイノベーターを選出する企画「30 UNDER 30」を実施している。今回、「The Arts」部門で選出された吉田にその半生を聞いた。

熱中したことがない幼少時代と、写真との出会い

──吉田さんの幼少時代のお話を聞かせてください。

千葉県の南房総で生まれ、高校まで地元で育ちました。田舎の子供らしく海や川で遊ぶこともありましたが、どちらかといえば物静かなタイプでしたね。

中学校を卒業するまでは、趣味や熱中できることがまったくありませんでした。小学生ではバレーボールのクラブチームに、中学生では卓球部に所属していましたが、それもなんとなく皆がやっているからやる、という感じで……。主体性があまりない子供だったと思います。

──写真を始められたのはいつですか?

高校1年生の時、写真部に入ったことがきっかけです。ただ、写真部も「写真がやりたい」から入ったのではなく、運動がとにかく嫌だったので文化系の部活動を探していたら偶然見つけたんですよ(笑)。

「写真だったら誰にでもできるだろう」という、半ばいい加減な気持ちで始めました。でも、いざ撮り始めたら案外に楽しくて。

──写真のどういう部分が楽しかったんでしょう?

うーん。その当時は、写真を撮る行為そのものというよりは、「自分ひとりで誰かに認められる」ことに楽しさを見出していました。

それまで部活などをやっていましたけど、「自分ひとりで認められる」ことってなかなかないじゃないですか。団体行動は得意ではなかったので、余計にそう感じていて。勉強もあまりできる方ではなかったですし……。

でも写真を始めてから、全国高文連(全国高等学校文化連盟)の写真コンクールで1年生の時に入選できたり、賞をいただいたり、偶然にも「自分ひとり」で作ったものを評価していただける機会が何度かありました。それまで私は、人に何かを評価されることがほとんどなかった。だから、「評価してもらえた」こと自体が嬉しくて。

──吉田さんの中で、「認められたい」「評価されたい」という気持ちは昔から潜在的にあったのでしょうか?

特に意識したことはなかったです。でも、いざ認めてもらえると純粋に嬉しかった。自己表現の手段として、写真は自分と相性が良いのかもしれないと思いました。ただ、高校生当時は今とまったく違う写真の撮り方をしていたんですよ。

文=明石悠佳 写真=小田駿一

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