ウーバーやリフトなどのライドシェアの影響で、タクシーの売上が下降線をたどり続けているが、この影響は実はレンタカーにも出ている。レンタカー会社は車の保有在庫を落とし、回転率を上げるためにさまざまな工夫をしている。その結果、消費者は需要・供給の上下による価格変動の波をもろに受ける。
たとえば筆者の経験でも、冬は、北部の観光客が一斉にやってくる温暖なフロリダ州ではおしなべてレンタカーは足りなくなるので、1日当たりの料金が上がる。
ルート次第で料金は4分の1に
仮に、マイアミ借りのマイアミ返却は1日約1万円するとしよう。それが、北部のニューヨークで借りてマイアミまでアメリカを縦に走り、乗り捨てるとする。乗り捨ては高くつくといういつもの常識を覆して、その4分の1の2500円で借りられるという奇怪な現象に遭遇した。
マイアミで商品(車)が不足する分を、お客が在庫移動をしてくれるから、タダに近い金額でいいというわけだ。そして、もしマイアミで乗ってNYで乗り捨てると、理屈が逆になり1日2万円という値段もありうる。
読者のみなさんが、NYとマイアミのアメリカ旅行をするとして、10日間の旅程であれば、NYからマイアミの流れなら2万5000円。逆回りで行くと20万円。いくら飛行機代も市場価格でまちまちとはいえ、その差額17万5000円を埋め得る旅行術はまずない。このようにルートを検討すると旅費は大幅に変わる。
NYとマイアミがいかにも観光的だというのであれば、シリコンバレーへの出張の場合はどうだろう? シリコンバレーの有名企業のほとんどは、サンフランシスコ空港と隣のサンノゼ空港の間に位置しているが、どちらの空港からアプローチするかで、やはりレンタカー代が大きく変わるので検討の価値がある。
ただただ「知らなきゃ損」
他にも節約術としては、レンタカー会社のメンバーになっておくとか、登録運転手は1人だけにしておくとか、役に立たない据え付け型GPSを断るとか、できるだけ空港で借りないこと(空港では施設利用料や諸税が加算される)などあるが、とにかく各会社がその時の車の在庫事情によって目まぐるしく価格を変えてくるので、複数の会社をチェックするのがいい。
筆者が以前取り上げたスピリット航空のように、いつもどこよりも安いという会社はレンタカーにおいては存在しない。自分でいちいち比べようとすると大変だが、kayak.comなどの比較サイトを使えば、サイトが値段順に並べてくれる。ラスベガスの事情でいえば、約20社のレンタカー会社を一気に比較してくれるからありがたい。
さらに、レンタカー会社の窓口の係員は、「お得だから」として給油パッケージ(満タン返しでなくていい)を売りつけようとするはずだが、これはほとんどの場合、かえって割高になるからやめておいたほうがいい。