21世紀の腕時計の特徴は「彩りの豊かさ」

ハミルトン ジャズマスター シンライン オート

今世紀に入ってからのテクノロジーの進化は、機械に限ったことではない。ケース、ダイヤルなど、時計の本体を構成する部位にも明らかな違いが見られるようになった。

そもそもは、20世紀後半に出現したセラミックによって、これまでなかったホワイトやブラックのケースが登場したことにはじまる。とくに2000年のシャネル「J12」の誕生は、時計の色はゴールド、シルバーだけではないのだ!ということを知らしめた。ブラック及びホワイトの腕時計の登場は、新しい時計の時代を予感させたのである。

セラミックの使用は、その後、レッドやブルーのベゼルを生み、さらにケース、ブレスレットまでつくられることになる。新しい時計色は広がりを見せ、いまやどんな色が作られても不思議ではないほどになっている。

そして、それはダイヤルにも及んでおり、2010年頃からダイヤルカラーも彩り豊かになってきた。

まず、急激に増えたのがブルーダイヤルだ。これは、昔からとても人気があるということもあるのだが、同じブルーでも鮮やかだったり、落ち着いていたりと、その色の解釈もそれぞれで、ブランドごとに表現の違いを見るのも楽しい。もちろん、現代でもブルーダイヤルのモデルはよく売れるということだ。

そんなブルーダイヤルに加え、昨年、今年と台頭してきたのが、グリーンダイヤルだ。ブルーのように何にでもあうという色ではないが、今年、とくに増えているので、今後のトレンドカラーになりうるかもしれない。注目のダイヤルカラーである。



HUBLOT / ウブロ
ビッグ・バン ウニコ
レッド マジック

マテリアルの開発では時計界の先頭を走るウブロが、画期的な真っ赤なケースをつくり出した。退色しない鮮やかな赤色と高い硬度を備えた最先端の腕時計だ。世界500本限定。自動巻き、レッドセラミックケース、45mm径 278万円 問/ウブロ 03-5635-7055


RADO / ラドー
トゥルー シンライン ネイチャー

ネイチャーがテーマで、グリーンを庭園とイメージさせており、それをセラミックス素材で表現した。ダイヤルは、みずみずしい葉が表現されている。クォーツ、セラミックスケース、39mm径 21万円 問/ラドー/ スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330


HAMILTON / ハミルトン
ジャズマスター シンライン オート

針、インデックス、インダイヤルの配置が絶妙でバランスがよく、さらにダイヤル中心から放射線状にラインが伸びるサンレイ加工が施され、美しい。自動巻き、SSケース、40mm径 10万4000円 問/ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7371


CHANEL / シャネル
J12 アンタイトル

シンボルナンバーである「12」にインスパイアされ、大胆かつグラフィカルにデザイン。カラーはブラック&ホワイト、各1200本限定である。自動巻き、ハイテク セラミックケース、38mm径 63万7500円 問/シャネル カスタマーケア 0120-525-519



H.MOSER & Cie. / H.モーザー
スイス アルプウォッチ コンセプト コズミックグリーン

スマートウォッチへのアンチテーゼとして登場した純スイス製機械式腕時計に、今年はブランド名もインデックスがないモデルが登場。ダイヤルカラーは深い色合いのコズミックグリーン フュメとなった。手巻き、18KWGケース、38.2×44㎜径 320万円 問/イースト・ジャパン 03-6274-6120

文=福留 亮司

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