彼女はキャリアには満足していたものの、現職では日に日に状況が厳しくなった。会社は次々とリソースの削減を続け、彼女の業務量は増える一方、チームは縮小。彼女は、この状況をなんとかしようと数カ月努力したが、次のステップに集中すべく退職することに決めた。
退職前には、人事部と面談が予定されている。面談では何を言えばよいのだろう? ここでは、満足できなかった仕事を辞めるときの退職時面談を切り抜ける4つのコツを紹介する。
1. 怒りをぶちまけたい気持ちを抑える
現時点では辞めたいと思っていても、現職との関係を捨ててはいけない。世界は小さいもので、現在の同僚が将来、自分の同僚や上司、顧客になるかもしれない。今の同僚と再び、毎日一緒に働くことがなかったとしても、現職にはあなたにとっての熱意ある強力な推薦者になってほしいはずだ。
あなたをつなぎ留めるために会社は何をすべきだったのか、会社はどうすれば良くなるかなどフィードバックを求められても、ここで不満をぶちまけてはいけない。最後に悪い印象を残さないこと。たとえ自分の意見は建設的なものでネガティブではないと思っても、会社を批判している印象を与えず批判的なことを言うのは難しい。自分の意見は完全に中立的な立場に聞こえるはずだと思っていても、相手は批判されていると感じるかもしれない。
2. 良かったことに焦点を当てる
批判的なこと(建設的な批判だと思うことも含む)は何も言えないとすれば、一体何を言えばよいのか? 退職時面談では、企業の良かった点について考え、その具体例や自分を助けてくれた人、有能だと思った人などを挙げよう。これは逃げの技術ではない。良いことに注目するのは、ストレングスコーチング(強みを基盤とした指導法)の例であり、変化を促す上では、悪い点をくどくどと述べるより効果的な場合がある。良い点を指摘すれば、何が良い状態かを会社が具体的に認識でき、そこを強化することができる。
会社に良い点がないと感じている場合は、しっかりと見てない証拠だ。会社の方針や経営に全体的に反対の立場だったとしても、成功例はいくつかあるはずだ。大小に関わらず、こうした素晴らしい例を挙げること。
私の元顧客は、チームの人数を増やすため会社にリソースの拡大を求めていたが、それはかなわなかった。しかし一部のプロジェクトでは、フリーランスを活用したり他部署から社員を借りたりすることができたため、この点は良かったこととして挙げられる。
追加リソースが必要なことを主張してもよいが、その場合はリソースがないことのデメリットではなく、リソースを持つことの価値を強調すべきだ。