新素材との融合で生まれるイノベーティブな腕時計

ロジェ・デュブイ

腕時計の技術が一気に発展したのは、18~19世紀にかけてである。天才アブラアン・ルイ・ブレゲをはじめとした優秀な時計師たちにより、トゥールビヨン、永久カレンダーなど多くの技術がこの時代に考案されたのである。現在使われている機械式時計の技術の大半は、この時代に出来上がったものといっても過言ではない。

そして20世紀に入り、腕時計の時代へと移っていく。ここで、小型化という現代に繫がる進化をするのである。

この間も、防水性能の向上や自動巻きムーブメントなど、技術改革が行われるのだが、なんといっても時計界の一大転機は、1969年のクォーツムーブメントの誕生だろう。

この技術の飛躍的向上は、時計界の勢力図を書き換えるほどのものだった。大きな痛手を受けた機械しい時計だが、後にそれによって機械式時計の魅力が再認識され、一大時計ブームが訪れるとは、皮肉なものである。

現代は、機械式とクォーツ式がうまく共存した時代となった。

どちらの形式にも、毎年技術進化が見られ、さらに、新素材と融合することで、その幅はどんどん大きく広がっている。素材、ケース、動力など、それは多岐にわたっており、毎年何が出てくるのか、楽しみになってきている。



BVLGARI / ブルガリ
オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト

このモデルに初めて加わったSS素材。この独特の白さは、ゴールド、パラジウム、ロジウムの順で3層コーティングをかけた後に、サンドブラストで表面を整えるという特殊な手法。自動巻き、SSケース 、40mm径 146万円 問/ブルガリ ジャパン 03-6362-0100


GUCCI / グッチ
G-タイムレス

GGロゴのホログラムが浮かび上がる、とてもユニークで立体的なデザインのモデル。写真よりも実物の方がすごいので、一度ご確認あれ。クォーツ、SSケース、38mm径 11万2000円 問/ラグジュアリー・タイムピーシズ ジャパン 03-5766-2030


CITIZEN / シチズン
エコ・ドライブ ワン

光発電エコ・ドライブを搭載し、ムーブメント厚1mm、ケース厚がわずか2.98mm(設計値)という極薄モデルの最新版。今年はケース形状をよりスタイリッシュに。クォーツ、サーメット(アルティックベゼル)ケース、37mm径 70万円 問/シチズンお客様時計相談室 0120-78-4807


ROGER DUBUIS / ロジェ・デュブイ
エクスカリバー アヴェンタドール S スケルトン ダブルスプリングバランス

特別開発の「デユオトール」という45度に傾いた2つのバランスホイールは時計業界のセオリーにはない革新的な構造。ケース素材はランボルギーニ車に使用するC-SMCカーボン。自動巻き、カーボンケース、45mm径 2310万円 問/ロジェ・デュブイ 03-4461-8040

文=福留 亮司

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