社内で「新しいこと」を始めるための4つのテクニック

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3. 小さくはじめて、人を巻き込みながら大きくしていく

プラン立ち上げの際は、無理をせず、できるところから小さくはじめるのがいいでしょう。実際に動き出すと、自分が考えていたのとは違うということも起こり得ますが、小さくはじめていれば軌道修正をするのもそれほど難しくはありません。大きく道をそれてしまってから、元に戻ってやり直しするよりも、修正しながら進める方が簡単で効率的です。

大掛かりにスタートすると、注目を集められるのはいいですが、ちょっと目標を下回っただけで「こんなことをやる意味があるのか」という批判や、「本業に力を入れるべきだ」などの横槍が入りがちなのが組織です。

また、期待値が高ければ高いほど、大きな成果も同時に求められます。とくに、通常の業務をやりながら、新規プロジェクトを手がける場合は、欲張らずに自分の目の届く範囲から着実にことを進め、その過程でだんだん人を巻き込んで大きくしていく方が確実です。

4. 社内外の異なる分野・業界にネットワークを持っている

社内起業をした人は、企画実現のための協力者を得るネットワークを持っていますが、その人脈はおおむね、普段の地道な行動の賜物です。

そうしたネットワークは、日頃から一緒に仕事をしている人に感謝したり、自分が興味を持っていることを話したり、相手のメリットになるようなことを提供したりして、信頼関係を築くことから育まれます。社内外のイベントやコミュニティに出入りすることも、より多くの人との接点を持つという点で有効です。

私はこんなことがしたい。こんな問題意識を持っている……と発信するほどに、「こうしたらどうだろう?」「この人に会ってみたら?」などとアドバイスをもらえることが増えていきます。

自分から壁を作らずに様々な人に会い、人の話を聞きながら課題を乗り越えていくことで、協力者を得る。それが、自分がやりたいこと、やるべきことを明確にする助けとなり、ひいてはその実現に向け一歩を踏み出す後押しになります。

近年、既存の仕組みや組織の境界を超えて活躍する「越境リーダー」が注目を集めていますが、所属する組織・職場で「自分のやりたいこと」を実現することは、その第一歩とも言えるのではないでしょうか。今後は、こうした新規事業から社会にインパクトを与えた成功例とともに、この越境リーダーについてより深く考えていきたいと思います。

連載:「グローバル思考」の伸ばし方
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文=秋山ゆかり

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