だが、こうしたささいな変動よりも、今年のランキングではもっと驚くべき変化が見られた。昨年29位だったカリフォルニア大学バークレー校が、州立大学として過去最高位となる14位に浮上。この他にも、カリフォルニア州の大学が多数上位に入る健闘を見せたのだ。
スタンフォードに次いで同州2番目となる6位につけたのは、カリフォルニア工科大学。STEM分野(科学・技術・工学・数学)系の私立大学で、学部生の95%が研究に従事している。19位と23位にはそれぞれ私立のポモナ大学とハーベイ・マッド大学が入った。25位内に入った公立大学は、カリフォルニア大学バークレー校に加え、22位のミシガン大学アナーバー校の計2校となった。
STEM系学位が高収入につながるとして重宝される一方、リベラルアーツ教育の衰退がささやかれているが、今年のランキングでは名門リベラルアーツ校が存在感を固持している。ウィリアムズ大学は12位、アマースト大学は16位、ボウディン大学は17位、ポモナ大学は19位に入った。また24位のスワースモア大学は、リベラルアーツ系の大学としては珍しく学士課程で工学科を設置している。
ランキングに入った大学の多くでは、退役軍人や、子どもを持つ人々、さらには学位取得でキャリアアップを図る社会人といった非従来型の学生が増えている。米政府の統計によると、米国人の学士号取得年齢は年々上昇しており、現在25歳以上の学生は全体の38%に上る。
今年で11年目となるフォーブスの「全米大学ランキング」では、卒業生が直接享受できるメリットに焦点を当ててきた。特に、米国人が抱える学生ローンの総負債額が1兆ドル(約110兆円)を超える今、本誌は「インプット」よりも「アウトプット」が重要だと考える。他のランキングでは合格率や学生のSATテストの点数などを考慮しているが、フォーブスでは卒業生の収入や負債額、卒業率、学業面・キャリア面での功績で各大学を順位付けしている。