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2018.08.21

ペプシコのソーダストリーム買収を肯定すべき4つの理由

Photo by Joe Raedle/Getty Images


2. 統合の効果が大きい

今回の買収は、ペプシコの目標達成と、ソーダストリームの市場シェア拡大につながると考えられる。ペプシコは「自分の体と地球に良い消費を求める」という消費者への対応に力を入れており、ソーダストリームはそうした同社の方針を後押しすることになる。

また、フォーチュン誌によれば、ソーダストリームは新たに150を超える市場へのアクセスを得ることになる。膨大なリソースを持つペプシコはすでに、200以上の市場に進出している。一方、ソーダストリームが事業を展開するのは46か国にとどまっている。

ソーダストリームのダニエル・バーンバウムCEOは同誌に対し、現在の自社の市場シェアは8%にとどまるものの、ペプシコの力を借りることで、ドイツをはじめ各国への進出が可能になると語っている。

3. プレミアム上乗せでの買収

ペプシコはソーダストリームの株価に32%のプレミアムを上乗せした買収価格を提示している。だが、ソーダストリームが新たに150か国での販売を開始することで売上高が20億ドル増えれば、ペプシコがソーダストリームに支払う買収プレミアムの約3億ドルは、利益の増加によってほぼ相殺されると考えられる。

4. 統合は順調に進む見込み

ヌーイCEOが数カ月後に退任し、バーンバウムCEOがペプシコの“官僚主義”にどの程度うまく対応していくかが不透明な現時点で、両社の統合について分析することは難しい。

だが、2019年1月に予定される買収完了後も、ソーダストリームは独立した1部門となり、現経営陣はそのまま残ることになるという。フォーチュン誌はこれについて、「イスラエル企業がその起業文化を維持するために不可欠だと双方が考える体制」だと説明している。

なお、買収の発表を受け、ペプシコの株価は下落した。残念ながら、ソーダストリームに見込まれる売上高は、ペプシコを成長させるには不十分だとみられているのだろう。ヌーイの後任の方針が不明であることも、影響しているとみられる。

編集=木内涼子

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