ビジネス

2018.09.10

日本初、投資一任型の資産運用サービスが描く勝算


「あくまで本来のスタンダードなレベルの金利に戻そうという動きです。残念ながら日本は例外ですが、欧米ではすでに数字に表れています。インフレ圧力もまた顕在化し始めています。この転換期を生き抜くためには、グローバルな視野が不可欠です。世界を網羅する各国に所在する数多くのスペシャリストが常時注視しているクレディ・スイスだからこそ、長期のハウスビューを構築できるのです。“大筋を見失うな”、これこそが我々が常に自分たちに言い聞かせている言葉なのです」(松本)

主役が毎年代わる時代の分散投資

金利が上昇すれば債券価格は下落するのが定石だが、そうした時代の到来を想定すればこその、そのリスクを避けるための方策が分散投資なのだと松本は言う。「いまは株式が主役。でもその主役の座は毎年入れ替わるのが特徴です。各資産クラスに分けて投資先を分散することによって、長期運用では平準化させることができるのです。もちろんそのためには戦略的に市場を見る能力が必要不可欠ですが。

『クレディ・スイス マンデート』の利点は、ほかにもあります。リターンがリターンを生むことで利益につながる。そのためにはリターン自体を減らす要因は極力避けるべき。余計な支出はしてはならないのです」

利益が3〜4%という時代で、1%の差は大きい。小さな違いでも複利という魔法で大きく膨らんでいく。ハイリスクハイリターンのヘッジファンドでは許容できるコストだとしても、リスクを抑えたポートフォリオにおいては、資産効率がキーとなる。

結局のところ、世界に通じた投資部門のプロたちを信頼し、大局を見て動じず、わずかなパーセンテージを得ていくことが最強の法則ということなのだろう。

「投資をプロに一任することによって、自分の時間がたっぷりともてるようになり、各自が本来の仕事に邁進できるというのが、ビジネスパーソンの理想なのではないでしょうか。欧米では当たり前のそうした投資スタイルを、ぜひ日本でも実現したいですね」(有賀)


有賀眞一郎◎クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部プロダクト&ソリューション部長。日本における富裕層向けプロダクト部門の責任者。海外からの商品導入や、新商品開発に携わる。

松本聡一郎◎クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部CIOジャパン。富裕層向けインベストメント・ストラテジー&リサーチ部門の日本担当として、日本へグローバルの投資戦略を紹介するとともに、グローバルには日本市場の投資戦略を提供している。

文=清水りょういち 写真=平澤清司 編集=高城昭夫

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