誰もが避けたい「気まずい会話」 不安を克服する4つの戦略

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3. 感情が影響していることを自覚する

感情は、仕事における意思決定において重要な要素だが、軽視されてしまうことが多い。私の元にはしばしば、キャリアに関する簡単な質問や交渉について相談したいという顧客が訪れる。しかし話し始めると、ほぼ必ずと言ってよいほど、その顧客の体験と意思決定能力に影響するような重大な感情が表面化する。

私たちはこうした感情を自覚することではじめて、効果的にその感情を乗り越えることができる。ステーシーの場合、仕事全体に抱いていた不満が、上司との非生産的なやりとりによってさらに大きくなった可能性がある。彼女は自分が軽視され、尊重されていないと感じたことだろう。上司からさらに拒絶されることを恐れ、難しい会話をいっそう切り出しづらくなっていたのかもしれない。

ここで大切なことは2つある。自分の持つ感情は、どんなものでも正当なものであること。そしてそうした感情は、あなたの行動や意思決定に影響を与え得るということだ。

4. ビジュアライゼーション

私は過去に、ヨガのインストラクターであるミケイラ・アンダーソンから、難しい会話を切り出す前にできるシンプルで素晴らしいビジュアライゼーションの技を教えてくれた。自分の好きな色をイメージし、その色で体が満たされる場面を想像して瞑想することで、精神を守り安定させる方法だ。

私がこれを初めて使ったのは、私に対して不適切な発言や身体的接触を繰り返していた男性に難しい会話を切り出す際だ。最初は恐ろしくてたまらなかったが、会話を始める直前にこのイメージングを実践することで、大きな自信を感じることができ、自分と自分の意見をしっかり持つことができた。

このビジュアライゼーション法を他の場面でも使っていくうちに、私は自分がいる状況を変えるために必要なエネルギーや努力をより穏やかにとらえることができるようになった。私はこのビジュアライゼーション法を、難しい状況に直面している友人や顧客にも勧めてきた。ステーシーが私に事前に相談していたとすれば、彼女にも勧めていたことだろう。

最終的にステーシーは難しい会話を切り出すことができ、上司に退職の意思を明確に示すことができた。彼女にとってはストレスのたまるプロセスだったろうし、上司の行動で退職がさらに居心地の悪いものになってしまったが、上司は彼女の退職を受け入れるしかなかった。

誰かと難しい会話をする必要がある状況になったら、仲間と一緒に戦略を立て、感情を整理してビジュアライゼーションを実践しよう。これら4つのプロセスを踏めば、落ち着き自信を持った状態で会話を始められるはずだ。

編集=遠藤宗生

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