今年首位に躍り出たのは、年収5200万ドル(約57億円)を稼いだルーク・ブライアン。収入の大半は、1晩当たり100万ドル(1億1000万円)以上の興行収入をもたらした世界ツアーによるものだ。これに、人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の審査員への抜擢や、シボレーなどの広告契約からの収入も加わった。
3位はケニー・チェズニーの3700万ドル。大半は「トリップ・アラウンド・ザ・サン・ツアー」の興行収入で、そのほかに自身のラムブランドや「コロナ」ビールとの広告契約からも収入を得た。
カントリー界では、ルーク・ブライアンをはじめとした新世代のスターたちが、カウボーイハットの代わりに野球帽をかぶり、スチールギターの代わりにロックリフをきかせた楽曲を売り出すとともに、音楽界での成功をこれまでとは違う形で収益化するようになった。ブレイク・シェルトン(5位、2800万ドル)やフロリダ・ジョージア・ライン(6位、2700万ドル)、そしてブライアンはいずれも、最近になってテネシー州ナッシュビルにバーをオープンした。
ジェイソン・アルディーン(7位、2300万ドル)は、フォーブス寄稿者のブリタニー・ホダックによるインタビューで、こう語っている。「20年前、自分が将来ナッシュビル中心街にバーをオープンすることになると言われたら、『いやいや』と返していただろう。むちゃくちゃだけど、ファンにとってはクールなんだ。私の店で1杯やって、フロリダ・ジョージア・ラインゆかりの品を見に行って、ブレイクのバーで時間を過ごす。ナッシュビルは今、都市としてにわかに活気づいていて、その変化を見るのが楽しい」
多様性という面では、カントリー界はまだまだ改善の余地がある。トップ10入りした女性歌手はドリー・パートン(10位、1900万ドル)のみだった。パートンは、自身のテーマパーク「ドリーウッド」やディナーショーを通じ、72歳にして30代男性シンガーの多くをはるかにしのぐ収入を得ている。ビジネス手腕にも長けており、自身の楽曲の出版権やマスター音源を保有しているとされる。