渡辺直美「本気でやれば目標は達成できる。大切なのはそれをどう続けるか」

コメディアン 渡辺直美


黙って待ってていても、誰も助けてくれない
advertisement

私もそんなに変わりませんが、20代は色々勉強をさせてもらった時期だったので、何かやりたいことがあればやった方がいいと思うんです。戻ってこないからね、20代は! 失敗したらうちら世代が全部尻を拭くんで。

20代の子達がやりたいと思うことを後押しできるように、うちら30代も頑張んなきゃいけませんね。私も20代のころは好きなことをハチャメチャにやって、先輩達にお尻を拭いてもらいました。

私はたくさんの先輩に恵まれていましたが、黙っていたら先輩たちが助けに来てくれたわけではありません。自分から先輩に相談しに行きました。先輩から気づくことってあまりないですから。
advertisement

自分から「ちょっと相談があるんですけど」って言ったら、先輩は聞いてくれますよ。聞いてくれない先輩は、先輩と思わなくていい。まず声に出してみるといいです。「誰か気づいて」と困っているだけじゃ、周りも助けてあげることができないから。

私、ゆとり世代第一号なんですよ。87年生まれがゆとり世代って、自分たちの成人式のニュースで「今年、ゆとり第一号が成人しました」っていうのを聞いて知りました。ゆとり世代といわれる今の20代って、グローバルな感覚もあって、SNSも得意で、自分のやりたいことに素直な人が多いですよね。

少し前まで、ネガティブなイメージがあったけど、ゆとり世代って、何かを新しく作り変える世代なのかなって思ってます。それぐらいの行動力と実力がある。だからゆとりっていう言葉は、ポジティブな意味に変わると信じています。

世界に挑戦しないといけない訳ではないけれど……

キャリアを積んでいく中で、私は自分の強みは表現力にあることに気がつきました。信頼している先輩の一人でもあるオリエンタルラジオの中田敦彦さんから「短所より長所を伸ばせ」というアドバイスをもらったこともあり、26歳でNYへ3カ月留学を経験しました。

そこで劇的に表現力が伸びたかはわかりません。英語も格段に上達したわけではありません。でもその後も私は勝手に世界に行って挑戦しています(笑)。英語を話せなくても、その人の良さや魅力って、世界中に届けられると思うんですよ。


芸歴10周年に当たる2016年、NY、ロサンゼルス、台湾の3都市をめぐる自身初となるワールドツアー『Naomi Watanabe WORLD TOUR』を開催。NYの会場は、最も由緒ある劇場のひとつであるウェブスター・ホール。

大切なのは意識ですよね、きっと。「世界に出るんだ」という意識さえあれば、私は英語が話せなくても表現できると思います。

あとは勇気。別に世界に行かなくてもいいんです。日本にいてもお金は稼げます。私なら、人を笑わせるエンターテイメントも、ほかにもやりたいことは日本にもたくさんある。

ただ、それだけじゃもったいないって思うんです。日本のエンターテイメントも、ものづくりもすごくかっこいいのに、それが世界に発信されないのはもったいない。

私をきっかけに、「なにこの子」って日本に興味を持ってくれる人が世界で増えたらいいなと思っています。私だけじゃなくて、海外で活躍している先輩も、若い子たちもいる。

みんなが海外で活躍しているのを見ると、すごく嬉しくなります。海外ばっかり行って、日本のことを愛していないのかって思う人もいるかもしれませんが……今時そんな人いないか。

いずれにせよ、日本が好きだからこそ海外に行く。いつかは海外のメディアに「撮影するからNYに来てください」って言われたら、「私時間ないんで、あなたが日本に来てください」って言えるようになれたらいいですね。世界中から人を日本に呼べるぐらいのエンターテイナーになることがこれからの目標です。

渡辺直美◎1987年茨城生まれ。NSC東京校12期生。2017年には米ヴォーグのWEBサイトにて自身のメイク動画が公開され、ユーチューブで数百万再生に達した。その後メイク術にも注目が集まり、2018年8月にはシュウ ウエムラとのコラボアイテム「naomi x shu uemura rouge unlimited collection」を発表。

文=守屋美佳 写真=小田駿一

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事