実はそうではない。
懸命な努力なしに結果が出ることはないし、考えたり期待したりするよりも多くの時間がかかることが多い。初めてこのことに気づいた瞬間、情熱や興奮が消え失せるのを感じ、「このまま続けるべきか、それとも諦めるべきか」と思うかもしれない。
障壁や課題に直面したときは、それがどれほど大きくても、次の4つのことを覚えておこう。
1. 変化を起こすのは簡単ではない
もちろん、容易に変化は起こせない。変化が簡単に起こせたら、社会起業家がいたるところに現れ、問題は解決され、世界はより良い場所になっているはずだ。しかし、実際はそうではない。目標によっては、何年もの努力や支援活動、数回の失敗を重ねてやっと成果が見え始めることもある。また、社会起業家には素晴らしいアイデアだけではなく、長年にわたり持続可能な長期的アプローチが求められる。
2. 起業自体も簡単ではない
組織的な社会変革を目指しておらず、利己的精神を持っていなかった場合でも、事業を運営することは難しい。財務や社員の管理、マーケティング、プログラム、事務・法的要素やガバナンス(統治)の対応が必要で、こうした分野の多くは、予想もしなかったような出来事をもたらすこともある。エンジンをどうやって組み立てるかに苦戦しているとすれば、それはエンジンの組み立て自体が難しいことだからだ。
3. それでも、努力をやめてはダメ
現在目の前にある取り組みを認識し、受け入れたら、今度は自己意識と自信を持ち立ち上がるときだ。社会的変化をもたらすのに、適格・不適格といった基準は存在しない。あなたも社会起業家になれるのだ。
朝目が覚めたら、自信と能力、やる気を感じるため必要な行動を取ろう。あなたが最もエネルギーを感じ、自分らしくなることができ、目標に向かって努力を続けられるようなことを実践する。気分が上がらない日もあるだろうが、自分がいるべき場所はここだと感じられる日が確実に来る。こうした瞬間を糧とし、努力を続けよう。
4. 必要時のため、支援のネットワークを作る
社会起業は重要だが、自己のケアができなければ活動は持続しない。他者からの支援と自己ケアは、譲れない要素として継続的に受けること。つらい状況や仕事に圧倒されている時でも頼れる人のネットワークを構築し、こうした支援を継続的に活用する。ストレスを発散したいとき、誰に電話をかけることができるだろうか? 必要な時に頼れるよう、必要になる前から支援のネットワーク作りに励むこと。
社会的企業や非営利団体を開始するとき、燃え尽きた気分になるのは普通のことだ。居心地の悪い状況であっても気にせず前に進み、難局を乗り越え、良いときも悪いときも自分を支えてくれる人たちのネットワークを周りに作れば、世界を変えるのに必要な決意や粘り強さ、持続可能性を育てることができる。