ビジネス

2018.08.16

大手ゲーム企業が続々「脱プラットフォーム」化に進む理由

ベセスダのディレクター兼エグゼクティブ・プロデューサー Todd Howard(Photo by Christian Petersen/Getty Images)


大手各社は「独自配信」のトレンド

アクティビジョンとベセスダは、スウィーニーほど踏み込んだ発言をしていないが、考えは同じだろう。ゲーム会社にとって30%の手数料を回避したい思いは共通で、FalloutやBlack Ops、フォートナイトほどの人気タイトルであれば、プラットフォームを介さなくてもファンはウェブを検索してゲームをダウンロードするに違いない。

仮にダウンロード数が減少したとしても、30%の手数料を正当化できるほどの影響は出ないだろう。これらの大型タイトルがもたらす売上は数億ドル規模であり、プラットフォームに支払う手数料は莫大な金額になるのだ。

しかし、小中規模のゲーム会社になると話は別だ。彼らにとっては、タイトルの露出度を高めるためにグーグルやアップル、バルブ(Valve)に手数料を支払う意義は大きい。彼らも本音ではプラットフォームを避けたいと考えているかもしれないが、現在のところは大手でなければ難しいのが実情だ。

今後、大手ゲーム会社がプラットフォームを回避する動きはますます加速し、ユービーアイソフト(Ubisoft)、アクティビジョン(Activision)、ロックスター(Rockstar)などは自社のランチャーで多くのタイトルを配信するようになるだろう。

エピックゲームズがiOSとGoogle Playストアを回避することが可能であることを証明できれば、他の開発者たちも追随するに違いない。一連の流れがゲーム業界を長期的に変革することになるか、今後の動向を注視していきたい。

編集=上田裕資

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